2014年12月22日

更新

今シーズンのラストラウンド。

前半のスコアで思うような数字が残せなったかった俺は、
ついに「初心者放置プレー」という奥の手を出して
巻き返すことを狙っていた。


後半の1ホール目、ティーショットもまずまず。
フェアウェイのど真ん中を捉える事は出来ないが、
ボールは何とかコース内に残っている。

「そうさ。ドライバーが真っ直ぐ飛ばなくたって、
OBにさえならなければ問題ないのさ!


誰が聞いても負け惜しみにしか聞こえないセリフだが、
俺が今以上のスコアを出す為には、
もはやこの方法しか選択肢は残されていないのだ。

しかし、こんなにも練習していると言うのに、
どうして50ヤードはあるフェアウェイの幅内に
ボールを打つ事が出来ないのだろうか?

その答えは、ゴルフを始めて6年以上も経過した今でも
全く出ていないのだった。


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Posted by アマゴルファー・むら at 21:00 Comments( 76 ) ラウンド コンペ 100の壁

2014年12月16日

順調

俺の第一打目のティーショットはまずまずだった。

少し右には飛び出して行ったものの
2打目でグリーンが狙える所にボールが残ってる。
曲り幅もほとんどない、右への「プッシュアウト」だった。

よしっ、これなら大丈夫だ!」

俺は拳を握って、
ラストラウンドの手応えを全身で感じていた。

問題のドライバーショットが「曲がらない球筋」であれば、
こんな俺でもスコアメイキングしていくことが出来る。

「とにかくボールがコース内に残っていれば、大叩きする可能性は減る。」

これが、今シーズン数々のラウンドこなして導き出した、
俺の「スコアアップの方程式」なのだ!!




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Posted by アマゴルファー・むら at 21:04 Comments( 14 ) パター ラウンド スイング

2014年12月10日

初ラウンド、初コンペ

とうとうこの日がやってきてしまった。
俺の、今シーズンの「ラストラウンド」


4月から始まったシーズンも、
8ヶ月間という期間を瞬く間に過ぎて
ここ信州のゴルフ場はすでに終わりを迎えていた。

あれだけ青々としていたコースの芝も、いつの間にか「黄色」へと変化して、
後は、ゴルフ場クローズまでの日数を指折り数える状況になっている。

風は冷たい。
目の前に見える北信州の山「妙高山」には、
ハッキリと白いモノが輝いていた。






今シーズンの俺は、
過去に例がないほどの好成績を収めていた。

「100切り」を記録したこと、すでに3回。
その中には「自己ベスト更新!」した成績がしっかり含まれている。

今までの丸6年間、全くの鳴かず飛ばずで100切りすら出来なかった事を考えると
もはや「奇跡を超えた奇跡!」としか形容できないほどにラッキーな状況だ。

このラッキーさをもってすれば、「年末ジャンボ一等賞」に当選するくらいは
朝飯前で可能だと感じている。

だから俺は、12月19日の金曜日の締切り日前には
朝食抜きで宝くじ売り場に並ぼうと思っているのだった。



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Posted by アマゴルファー・むら at 21:56 Comments( 17 ) ラウンド コンペ

2014年12月02日

少しづつ、少しづつ・・・

あと2回のラウンドで、今シーズンのゴルフを終了する俺は、
ゴルフ歴30年のベテランシングルゴルファーと、
「白ティーレディース」のアスリートゴルファーとのラウンドに出掛けた。





これまでにない好調さを披露した前半のプレー。

やはり、「これがもう最後のチャンスかも知れない」という切羽詰まった状況と、
ただ淡々と自分のプレーに徹するシングルプレイヤー達の姿には、
想像以上のパワーが引き出される事があるみたいだ。

前半の47打の内、パーが3回
そして、バーディーが1回

自分でも、
「実は俺って、やれば出来る子なんじゃない?」
と、過去の自分を否定したくなるほどのプレーを続けている。

「これは狙えるぜ、自己ベスト更新!
と意気揚々とプレーを再開した後半の1ホール目も「パー」でスタートしたのだった。

しかし、ここで罠が待ち受けていた。

続くロングホールで「パーオン」を果たした俺は、
バーディーの甘い誘惑をキッパリ断ち切り「確実にパー!」と2パットでホールアウトする事を考えていたが、なんと結果は「4パットのダボ」

続くショートホールでも「5打のダボ」
そして、サービスホールのミドルを9打と大叩きして、
次々とスコアを増やしてしまったのだった。


「やっぱり俺って、やっても出来ない子だったんだ・・・。」

意気揚々は意気消沈し、明るい未来は暗い現実へと変化して、
今度は、ベテランゴルファーたちの「冷たい視線」がその状況を切羽詰まったものにしていた。


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Posted by アマゴルファー・むら at 22:02 Comments( 14 ) ラウンド シングルプレイヤー

2014年11月27日

最後のチャンス

ここ信州のゴルフシーズンも、
終了のカウントダウンが既に始まっている。


寒さが日を増すごとに強くなり、
朝は畑に霜柱が立って夕日が沈む頃には
上着を一枚余計に羽織らなければ身体の芯まで冷え切ってしまうほど
一気に気温が下がってくる。

目の前に広がっている山々も、
薄っすらと白い帽子を被ってその姿を徐々に純白に変えようとしていた。

「冬将軍」は、直ぐそこまでやって来て、
本格的にこの場所に乗り込む日を窺がっている様子だ。


俺のラウンド予定は、残すところ「あと2回」になっていた。

1回は、ゴルフ歴30年のベテランゴルファーとのプライベートラウンドで、
もう1回は、今シーズン最後の「ラストコンペ」に参加して今シーズンは終了する。

これまでのラウンド数は、例年通りに月平均2回。
その中で「2回の100切り」を記録したものの、
自分の「ベストスコアを更新!」するだけの結果はまだ出ていない事に
俺は焦りを感じていた。


「こんなにも練習しているのだから、もっと良いスコアが出てもイイんじゃないか?」
「常に90台のスコアが出て、「パーかボギーが当たり前」というスコアでもイイんじゃないか?」
「既に、「あのバーディーパットは惜しかったなぁ・・・」と言えるレベルで会話するくらいになっていてもおかしくないハズだよな?」


望み通りの結果にならない現実がストレスとなって
俺の心を締め付けていた。



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Posted by アマゴルファー・むら at 22:00 Comments( 4 ) ラウンド 自主練習 100の壁

2014年11月21日

心を鍛える




一人予約で、格安キャンペーン中の「飯綱高原ゴルフコース」に乗り込んだ俺。
ティーグラウンドには、既に当日組み合わせの人達がスタートの順番を待っていた。

「霊仙寺湖」のほとりにあるこのゴルフ場は、
9ホールを2回まわってラウンドするスタイル。

もちろん「乗用カート」なんてものはなく、
自分で自分のキャディーバックを台車に載せて「手引き」しなければならない。

スタート前のストレッチもそこそこに、
台車をガラガラ転がしてスタートホールに着いた俺。

「あっ、どーもっ。むらと言いますっ。」

初めて出会った人達にすかさず挨拶をした。

「実はわたし初心者なんですけど、
ご迷惑を掛けないように頑張りますので、よろしくお願いしますっ。」



勝負の世界では、「機先を制する」事が何よりも重要な戦術であると、
俺は「バカボンド」を読んで学んでいた。

ならばこの場面でもその教えを活かさない手はない。

誰もが初めての人と一緒にゴルフをする時は、
「一体、どんな実力の持ち主なんだ?」
と不安に駆られているから、ここであえて「下手ですっ」と宣言することによって相手に優越感を与え、そして、和やかな雰囲気の中でプレーしていくことが可能になる。

これが、俺の長い期間の中で学んだ
「初対面の人とでも一瞬にして打ち解ける」鉄則なのだ



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Posted by アマゴルファー・むら at 20:50 Comments( 15 ) ラウンド メンタリティ ゴルフ場

2014年11月17日

チャンスを活かすか殺すか?

ゴルフシーズンが間もなく終わろうとしている信州。
秋も深まり、周りの山々は美しい紅葉に包まれている。


たぶん普通の人なら、
「綺麗な色に染まっているね」
なんて、赤と黄色と緑のコントラストが織りなす自然の驚異を楽しむのだろうが、
俺の場合は、
「あと、何回ゴルフができるのだろうか・・・。」
と、過ぎ去ろうとしているゴルフシーズンに悲しみを寄せている。

この日もそうだった。

透き通るような青空が見渡す限りに広がった11月の初旬。
少し冷たい風が吹いていたが、気温は「例年より高め」となる予報の中、
平日に訪れた何の予定も入っていない休日。

言ってみれば、「絶好のゴルフ日和

しかし、誰ともラウンドの約束をしてない俺は、
1年の中で1度か2度あるかないかの澄み切った秋空の大安吉日を
一人でポツンと孤独を噛みしめながら過ごそうとしていた。

残りの休日と、「財布の予算残高」を考えれば考えるほど、
ゴルフが出来る回数が少ないことが分かってくる。

これからの季節は気温がどんどん低くなり、
天気は雨から雪に変わることが多く、
コースの芝も、緑から黄色と見る見るうちに変化して、
ティーグラウンドやグリーンは、朝晩の冷え込みにカチンコチンに凍りつき、
物理的にもゴルフが出来なってしまう。

そんな事を一人で悶々として考えていると、
自分の部屋でただボーッと時間が過ぎて行くだけの休日に居たたまれなくなってしまい、予約も無く同伴者もいないのにもかかわらず、
いそいそとゴルフ場に出掛けて行ったのだった。



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Posted by アマゴルファー・むら at 22:45 Comments( 10 ) ラウンド メンタリティ ゴルフ場

2014年10月01日

浮き沈み

再び、「100オーバーの初心者」に戻ってしまった俺は、
その傷心の身体を引きずってラウンドに出掛けた。

場所は、「妙高高原ゴルフ倶楽部」






俺の「諦めが悪い性格」は、
子供の頃から筋金入りだし、何よりあと2週間後には
「むらコンペ」が迫っている。

そこで、「100切り&主催者優勝」を達成して、
多くの参加者の前で「脱・ゴルフ初心者宣言!」をする堂々たる姿を見せつける為、
俺は用意周到で万全な大勢をしいて準備を進めているのだった。









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Posted by アマゴルファー・むら at 17:00 Comments( 10 ) ラウンド ゴルフ場 100の壁

2014年09月27日

欠如




スタートホールは、
真っ直ぐ打ち下ろしのロングホールだった。

グリーンまでの距離は495ヤード。
目の前には、広く平らなフェアウェイが広がっている。


きっと、落ち着いて打てれば「打ちやすいホール」なのだろうが、
内気でシャイで緊張しいの俺には、恐怖のスタートホールに見える。

しかも、ティーショットの順番は、
俺が「一番くじ」を引いてしまった。

初めてのゴルフ場で、初めて出会った同伴者。
ゴルフ歴は俺より少ないとはいえ、
人生の先輩でもあり会社を経営している社長さまが俺のティーショットに注視している。

「こっ、このドライバーショットだけは、ヘマは出来ないぞっ・・・。」

いつも以上の緊張感が、俺の身体を襲ってきている。

腕はピンと伸び、膝もピンと伸び、
前傾した胸が大きく前に張られていた。

柔らかく握ったグリップ。
しかし手の甲には、血管がプックリと浮き出ているのが見える。

息を吐き、スッと下におろした肩も、
気が付くと「いかり肩」になっていた。

意識して緊張を解くルーティンを行っていたハズだが、
いつの間にかC-3POの様なカクカクした動しかできない身体になっていた俺。

「初めてという不安」は、
こんなにも人の筋肉、そして、姿や形までも変えてしまうのか?

俺がアドレスを取っているティーイングランドの中は、
不穏な空気が一杯に充満して、
しばらく時が止まった様に感じられていた。



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Posted by アマゴルファー・むら at 20:22 Comments( 6 ) ラウンド メンタリティ ゴルフ場

2014年09月22日

克服の特訓

「むらコンペ」があと1か月後に迫った俺は、
前代未聞の「主催者優勝」を狙って練習に余念がない。

100切りは達成できた訳だから、
これから鍛え上げていくことと言えばやっぱり
「安定感」だろう。


いつでもどんな時でも、常に90台のスコアが出せる安定感。
それは、初めて訪れたゴルフ場でも、
その日初めて同伴したプレーヤーとでも、
普段と変わらぬ落ち着いた気持ちでプレーできる「心の安定感」
当然必要だ。

しかし、
俺の生まれ持った「内気な性格」と、
「人前に出ると極度に緊張する」癖がある限り、
その安定感を手に入れることは難しい。

だから俺は、
レンタルビデオ屋に行っては、ある一角だけ遮られているスペースに勇気を振り絞って入ったり、
週末の夜の駅前や、居酒屋で二人で飲んでいる女性たちに自己アピールを繰り返しながら、
「内気な性格」「極度の緊張する癖」を克服する訓練を続けてきた。

そして今回も、
「初めてのゴルフ場」「初対面の同伴者」というダブルの障害を設けて
さらに心の特訓を行ったのだった。


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Posted by アマゴルファー・むら at 20:37 Comments( 6 ) ラウンド メンタリティ 100の壁

2014年08月23日

大いなる「壁」

無謀にも、バックティーからのラウンドに臨んだ俺。
しかしながら前半のプレーは「50打」だった。

今のところは不安要素はない。

あれだけ右に左に曲がっていたドライバーショットも、
真っ直ぐ飛んで距離も出ている。

1パットこそ決まっていないが、
タッチもラインの読みも合っている。

きっと、あと何かが噛み合えば、
「パー」いや「バーディー」も決まってくれるハズだ。

俺は、「それが一体何なのか?」を思考を巡らす余裕もないまま、
後半のプレーに突入した。


ティーグラウンドでティーの上にボールを乗せて、
打ち出す方向にボールに書かれている矢印を合わせていく。

それから、一度後ろに下がって、
ターゲットが正しく取れているかを確認して一回素振り。
それと共に、「フゥ~」と身体の中から息を吐き出す。

後は、グラブヘッドをフィニッシュの位置まで
一気に振り抜いていくだけだ


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Posted by アマゴルファー・むら at 20:18 Comments( 14 ) ラウンド メンタリティ 100の壁

2014年08月18日

無謀なラウンド

遂に、「大曲りのドライバーショットから脱却!」出来た俺は、
それが稀にみる偶然の産物なのか、それとも、
正しいスイングを身に付けた結果なのかを検証するため、
ゴルフ場に出掛けて行った。

場所は、「信濃ゴルフ倶楽部」






もし、今回のラウンドでも、
スペシャルストレートのビッグなドライブショットを打てたのなら、
それは「本物」だと言ってもイイだろう。

ただ、いくらティーショットが良くても、
その後に続くアイアン、アプローチ、パッティングが駄目では
スコアは一向に良くならないのは分かっている。

俺が目指しているのは「曲がらないドライバーショット」ではなくて、
あくまで「100切り!」いや、「シングルプレイヤー」なのだから。


真夏の日差しがとても眩しい日。
俺は、自分のスイング検証を始めたのだった。








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Posted by アマゴルファー・むら at 20:32 Comments( 6 ) ラウンド スイング

2014年08月13日

避暑地でゴルフ

「夏」と言えば、やっぱりココだ!





「菅平グリーンゴルフ」


標高1600mに位置するこのゴルフ場は、
いつでも高原の風がそよそよと吹いていて本当に涼しい!

「東京は35度を超える暑さです。」
なんてニュースが流れていても、
この場所はだけは30度を超える事がない。

涼しい信州の中でも、避暑地の中の避暑地だ!


これまでのラウンドは常に自分との格闘だったから、
たまにはこんなリラックスモードのゴルフもイイだろう。

天気も良いし、スライスとかチーピンとかはすべて忘れて
純粋にゴルフと言うものを楽しもうじゃないか。









とは言っても、今回は「コンペ」だ。

ただ気持ちイイだけのゴルフをしていたんじゃ、
「不名誉な賞」をゲットしてしまう可能性がある。


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Posted by アマゴルファー・むら at 21:46 Comments( 5 ) ラウンド コンペ ゴルフ場

2014年07月28日

旅の終わりで

俺の、「自分をゼロから見つめ直す旅」
そろそろ終わりに近づいていた。

思い出の場所をフラフラと徘徊しながら、
スライサーからチーピニストに変貌したスイングの原因究明に取り組んでいるが、
コレと言った手応えはまだない。

しかし、
いつもでもこんな根なし草の様な、
フテーンの寅の様な生活を過ごしているワケにはいかない。

夏が始まったばかりだが、
集中して練習しなければアッ言う間に秋が訪れ、
そして雪と共にシーズン終了になってしまい、
俺はまた「アナの世界」に舞い戻る事になるだろう。

風の向くまま気の向くままと旅を続けていた俺は、
「なぜ、ボールが左右に曲がってしまうのか?」
の答えを求めて最後にたどり着いた場所も、
やはり、懐かしい思い出の場所だった。


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Posted by アマゴルファー・むら at 20:30 Comments( 11 ) ラウンド 100の壁

2014年07月20日

徘徊の旅

人は、自分を見つめ直す時、
「昔の思い出の地を訪れる習性」があるらしいが、
俺もご多分に漏れずに懐かしい場所を徘徊していた。


「確か、この場所へ来たのも
4,5年前だった様な気がするな・・・。」


信州の北の地、
リンゴ畑に囲まれた山岳地帯にひっそりと佇む憩いの場所に
俺はたどり着いていた。





「斑尾高原カントリー倶楽部」

確かこの場所には、
ゴルフを始めて間もない頃にコンペでやって来た思い出がある。


当時の事をハッキリ思い出すことは出来ないが、
山岳地帯にありながら平坦なフェアウェイが広がっていて、
ゴルフ初心者にとてもフレンドリーなコースだという印象が残っている。

そう、平らで広いフェアウェイという事は、
ボールをどこに打とうがライが良いという事だ。
だから次の方程式が成り立つと言っていい。

ボールが曲がる + 広くて平らなコース = 「安心!」

例えボールが右に左に曲がっても、
ボールがコース内にありさえすれば何の心配もなく次の打球を刻めるこの安心感が
今の俺には必要なのだ!


青く澄み渡った初夏の空の下、
早速俺は、クラブハウスに足を踏み入れた。


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Posted by アマゴルファー・むら at 21:31 Comments( 13 ) ラウンド コンペ

2014年07月15日

思い出の場所

行くあてなくただ漂いながら「自分をゼロから見つめ直す旅」を続けている俺は、
旅の途中に「思い出の場所」に寄った。

この場所だけは、俺は忘れる事が出来なんだよ・・・。」

それは、今から遡ること4年前。
俺がゴルフを始めて唯一「100切り」出来た場所だった。






でも俺は、
あれから数えきれないラウンドをこなし、
数えきれない練習と呆れるほどのレッスンを受けてきたが、
それ以来「100切り」を出来ないまま
こうしてボーフラの様にふらふらと漂っている。

自分の何を見つめ直していいのか?がイマイチはっきりしていないが、
あの時の感動をもう一度思い起こせばもしかしたら道は開けてくるかも知れないと、
この思い出の場所に立ち寄ってしまったのだ。





こんな惨めな俺でも、
昔と変わらぬ姿で俺を迎え入れてくれたゴルフ場。

梅雨がまだ明けていないと言うのに、
空は青く太陽が眩しく輝いていた。





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Posted by アマゴルファー・むら at 20:56 Comments( 10 ) ラウンド 100の壁

2014年06月26日

真逆な世界

再び、どスライサーに戻ってしまった俺。
6年前の振り出しに「バック・トゥ・ザ・オールド」した中で、
またラウンドに出掛けた。

場所は、
上田市にある「上田丸子グランヴィリオゴルフ倶楽部」








このゴルフ場に来るのは、あの「レジェンドゴルフ」から約2年ぶり。
今年も女子プロの「ステップアップツアー」が開催されるらしい。

このコースは、やはりトーナメント会場にもなっているだけあって
ラフの芝がとても長くて平坦なフェアウェイも少ない丘陵コース。

特に、ティーショットのボールコントロールが求められるので
俺のどスライスを荒治療するにはもってこいになるだろう。

俺が、過去から未来へ戻る「鍵」を見つける重要なラウンドだ。









早速、フロントでチェックインを済まして、
コースの状況を確認する俺。







青々とした元気の良い芝がコースを包んでいる。

ボールがそれなりに転がってくれるグリーンも、
ソフトタッチの俺にはピッタリ合っている。

周りに置かれているプランターにも、
綺麗な花が咲いていた。





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Posted by アマゴルファー・むら at 13:32 Comments( 18 ) ラウンド スイング

2014年05月26日

雪辱

名門ゴルフ場と名高い「長野カントリークラブ」でのラウンド、
俺は5年前の雪辱を晴らすために朝一番のドライバーショットを放った。

516ヤードのロングコース。
目の前には、真っ直ぐ続くフラットな広々としたフェアウェイが広がっている。

ティーグラウンドからはまだグリーンは見えないが、
とにかく両側の林にボールを打ち込む事だけは避けなければならないホール。

狙いはもちろんフェアウェイのセンターだが、ラフにボールが行っても構わない。
スタートホールのティーショットを無難にこなす事が、一日の調子を決める鉄則なのだ。

同伴者に加えてキャディーさんの熱い視線も注がれて、
俺の身体も周りの空気もピシッと固まっている中、俺はドライバーを振り切った。


バツン!
ビューーー!



クラブヘッドにしっかり弾かれたボールは、
青く澄み渡った信州の空に向かって飛び出して行った。

「ナイスショット!」の心地よい掛け声が
ティーグラウンドに響き渡る。

ボールは右に少しカーブを描きながらも
フェアウェイに向かって飛んで行ったのだった。

「ふぅ・・・。良かったぜ・・・。

何度経験しても緊張する朝の第1打目。
これを無事にやり遂げた俺は、
緊張から解き放たれた身体を緩めて大きく息を吐いた。

「うん。今日はイイ感じだぞ・・・。」

この調子なら、今日のラウンドはスコアアップ「100切り」の期待が持てる。
俺は、キャディーバックからクラブを3本取り出して、
第2打地点に向かって軽やかにフェアウェイを歩き出した。


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Posted by アマゴルファー・むら at 18:00 Comments( 12 ) ラウンド 100の壁

2014年05月21日

再び挑む

今シーズン、練習場では絶好調を維持している俺は、
この力を確かめる為にラウンドに出掛けた。

選んだ舞台は、信州の名門ゴルフ場と名高い
「長野カントリークラブ」





もし、このゴルフ場で「100切り!」出来たのなら、
間違いなく俺の実力は本物だ!と胸を張って言うことが出来るだろう。

しかし、今から遡ること5年前。
長野カントリークラブで行われた「市民ゴルフ大会」に初出場した俺は、
コースとグリーンに翻弄され性も根も尽き果てて哀れな姿となってしまった事は
まだ記憶の片隅に残っている。

それ以来、二度と足を運ぶ事が無かったゴルフ場だが、
再びこうして戻ってこれた事に自分でも喜びを感じていた。







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Posted by アマゴルファー・むら at 00:00 Comments( 8 ) ラウンド ゴルフ場

2014年04月20日

ドライバーの行方

「脱・初心者」に向けて3か月ぶりに練習を再開させた俺だが、
早速、今シーズンの初ラウンドに行った。






まだ、芝も生えてきていない状態だが、
目の前にはキレイに整備されたコースが広がっている。

この広大な自然の中で、
今年の初ラウンドでは雄叫びだけは上げないように
小さな目標を持ってティーグランドに向かった俺だった。






しかし、練習を再開させたと言っても、
軽く身体を慣らした程度の練習しかしていない。

ウッド、アイアン、ウェッジ、パターと、
一通りのクラブを持ってボールを打ってはいるが、
当然納得のスイングが出来ていたワケでもなく感覚も完璧に鈍っていた。

そんな中で、果たしてどんな結果がやってくるのか?
内心ドキドキしながら俺はドライバーを手に取りティーショットを放った。







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Posted by アマゴルファー・むら at 20:58 Comments( 14 ) ラウンド

2013年11月15日

存在

「いいですか?とにかくパットが全てです!


このラウンドが「人生で二回目のゴルフ」という女性に、
スタート前の練習グリーンで話し始めた俺。

自分のプレーも、この「ラストコンペ」に全てが懸かっているが、
そんなところではない。

まずは、「ゴルフって面白いの?」という印象を抱いているこのビギナーさんには
「ゴルフの楽しさ」を感じてもらわなければならない。

聞くところによると、初めて参加したコンペでのスコアが「227」で、
今回は「もっといいスコアを出したい!」と思って参加を決めたらしい。
出来れば、「何か賞品にも与かりたい」と。

そんな事なら「お安い御用ですゼ!」と、
大丈夫!心配ない!と言い切った俺。

前回の「227」というスコアを改善することなんて、
俺が100切りするより簡単な事さ!

なぜなら、「スコアの良し悪しを決めるもの」パッティング
最低でも3回でボールがカップに入れば、
20打、30打のスコアを縮める事なんて楽勝だとう事は既に経験から分かっている。

「いいですか?距離感、タッチが全てなんです!!」

ゴルフ初心者の俺が、ゴルフ初心者にレッスンを始めたのだった。


「ここのグリーンは、すっごくボールが転がるんですよ。
なのでパッティングは、ボールを打っちゃダメです!


一瞬、
「えっ、ボールを打ってはイケない?それってどういう事なの??」
と意味が理解できない表情をした彼女に、
俺は続けてこう言った。


「いいですか?ボールを打っちゃダメですよ。
パターのヘッドで
「パチン!」みたいな感じに。
そうじゃなくて、右手でボールをカップまで転がす感覚なんです。
優しくそしてソフトな気持ちで、肌をなでる様な感覚で・・・。」


俺が、唯一の自信を持っているのは、
このパッティングだった。

スコアは未だに100すら切れない状態だが、
その内容を分析すると「平均パット数=33」となっている。

何故こんな数字を出せるのか?と言えば、
それは今までの経験が活きているとしか言いようがない。

優しくソフトなタッチング。
まるで、水鳥の羽が俺の指先についているかの様なタッチは、
多くの人を魅了し虜にしてきた。
その中には、熱い吐息を漏らした人に、言葉にすらならない声を出し続けた人もいる。
そんな俺のタッチングに夢中になった人たちは、
その華麗なる指先の動きを見てこうささやいた。

「まるで、羽毛に包まれているみたいだわ・・・。」
と。

そうさ、俺が夜な夜な鍛錬に鍛錬を重ねて受け継いだ指先は、
その動き方から「水鳥拳」と言われているのだからな。

蝶の様に舞い蜂の様に蜜に群がり羽毛タッチで背中をなぞる
「何と水鳥拳のむら」だって。

中国4千年の歴史には程遠く及ばない、
ゴルフ丸5年の歴史は伊達じゃないんだゼ!

一子相伝、秘伝の奥義を惜しみもなくビギナーゴルファーに伝授してしまった俺。

だが、これも俺の役目の一つだった。
「秘伝を継承させる事」が、俺に託された運命だって事は、
秋の夜空に輝く「死兆星」が見えた時から既に覚悟していた事だった。



「じゃあ、ドライバーで打ったら、
後はこの二本のアイアンだけ持って自分のボールの所に行ってくださいね。」


そう言いながら、彼女に「7番アイアン」「9番アイアン」を手渡し、
「とにかく、最後までしっかりクラブを振り切って!とだけ伝えてコースに送り出した。


最初の2ホール、彼女はクラブにボールを当てる事すら出来なかった。
やっと乗せたグリーンでも、
ボールを打ちすぎてアッチに行ったりコッチに行ったり。

しかし、どんどんとホールを進んでいくに従って、
感覚が分かってきた様子を見る事が出来た。


「そうです!アイアンも「ボールを転がすイメージ」でスイングしてください!
決して、
「ボールを高く上げよう」って思っちゃダメですよ!
芝の上でボールが転がるように打ってくださいね!」


彼女には、
「フェアウェイでは強くボールを転がす!」
そしてグリーンでは、
「優しく柔らかくボールを転がす!」
と呪文の様に言い続けた甲斐があって、
ハーフ終了時点では、ついに「1パット」まで飛び出す結果となった。

「わー!入った!!」
と喜んでいる彼女に「ナイスパット!」と声をかけてハイタッチで分かち合う俺。

彼女の前半のスコアは「74」を記録し、
この時点で前回のスコアを30打以上縮めたのは確実だった。

そして、俺のスコアも「51」のパット数が「15」
この状況の中では、上々の出来だと自分でも納得する。

「後は、悔いが残らない様に、
全身全霊でプレーするだけだ・・・。」


再び心の中で決意を固くして
後半戦に突入したのだった。






後半俺は、二人の初心者さんには
何のアドバイスもしなかった。

二人には、伝えるべきことは全て前半で伝え切ったし、
何より初心者に必要な事は「習うより慣れろ」実践を積むという事が一番の自分の為になると身を持って体験しているからだった。

そしてこのラウンドは、
シングル目指して練習したきた俺の「最後のゴルフ」になるかもしれない大事な大事なラウンドだ。
後半は、自分自身に全神経を集中してプレーを進めて行きたかったのだ。


最終ホールを後一つに残して、
この「信濃ゴルフ倶楽部」の名物ホール、
17番のミドルに到着した俺。

左に直角にドックレッグしている336ヤードのパー4。

このホールの鍵は、
グリーン手前にある大きな池だった。





しかし、池と言っても水が入っていないカラの池。
一打目で200ヤード飛ばしてフェアウェイに落とせば、
残りは120ヤードの打ち下ろしになる。
池と言う存在を無視すれば、
簡単にパーで上がれるホールだった。

ティーショット。
俺がドライバーで打ったボールは、
右にスライスしながらもラフの端に止まっていた。

グリーンまで残り150ヤード。
前方から少しアゲインストの風が吹いている。
俺は、何の迷いもなく7番アイアンを手に取って
思い切りクラブを振り抜いた。

「アッ。」

当たりが薄い感触に、思わず大きな声を上げてしまった俺。

力の入ったスイングが、
ボールを左に引っかけながら池の方へ飛んで行ったのだった。

しかし、ボールは池の手前に落ちていた。

何という幸運なのだろうか。

池に入ってもおかしくないボールが、
池に入らずに止まっている。

「どうやら、神は俺に味方してくれたみたいだな・・・」

「捨てる神があれば拾う神がありで、世の中はそれでバランスを保っている。」
と誰かが言っていたが、
どうやら俺の努力も、土壇場の土壇場で天に通じたようだ。

カップまで残り30ヤードのアプローチ。
しかも、俺が一番得意としている距離も残っているじゃないか。

ライの状態を確認し、56度のウェッジを手に取って、
素振りでしっかりイメージを作った俺。
俺の頭に中には、
ボールがふわりと浮いてピンに絡んでいく映像だけが映っていた。


「ドテ・・・。」


おかしい。
ピンに絡んでいるボールが、
何と池に落ちていた。



「・・・・・・。」


言葉を無くして、
その場の呆然と立ち尽くす俺。

拾う神もあったが、やはり捨てる神もまだ俺の目の前にいた

動揺を隠せぬまま行ったパットは「4打」を数えた。
もはや、俺の前には悪魔だけが存在していた


この後の事はよく覚えていない。

ただ、手元にあるスコアカードには、
「55打、18パット」だけ書かれていたのだった。



そして俺は、
水鳥が水面の下で、
バタバタと足を動かしている横で弱々しくなびいている水草の様になって、
トボトボと家路についたのだった・・・。





Posted by アマゴルファー・むら at 23:40 Comments( 16 ) ラウンド コンペ シングルプレイヤー

2013年11月09日

ラストコンペ

忘れかけていたコンペを思い出し、
リベンジの炎を燃やして再び「信濃ゴルフ倶楽部」を訪れた俺。





秋深くなってきた北信州。
紅葉も今まさに本番で、赤く染まった楓の葉が深い緑に溶け込んで
綺麗なハーモニーを生み出していた。






「このチャンスだけはモノにするゼ・・・」

今後のゴルフへの取り組み方、「何を目標とするか?」を決めるラストチャンス
「シングル一直線!」という選択を取るか、それとも、「レジャーでエンジョイ!」という選択になるのか?

この、今シーズン最後のコンペの結果次第では、
前回提示された結果、そう、既に選びかかっていた選択を
大きく覆すことになるかもしれない

いや、自分の気持的には「絶対覆したい!」というそんな思いでいっぱいだが、
しかし、「才能」さの字すら持っていない俺でも、
「潮時」という言葉はしっかり理解している。

歴史に名を刻んできたアスリート達は、
みんな口を揃えてこう言った。

「引き際が肝心」だと。

そして、
「止めるか?続けるのか?」の判断をするのが一番難しかった。」と。

俺も、信州を代表する、いや、にっぱん国を代表する初心者ゴルファーとして、
今、その偉人たちの気持ちを、深く理解する心境にたどり着こうとしているのであった。

「分かったよ。泣いても笑っても、
この結果だけは潔く受け入れようじゃないか・・・。」


俺は、朝日で眩しく輝くコースを見つめて、
心の中でそう決意したのだった。






今回一緒にラウンドするメンバーは、
俺以外、全員女性。
しかも、その3人の内2人は「ゴルフ初心者」さん。
1人は、「今シーズン初めてコースに出る」と言い、
さらにもう1人は、このコンペが「人生で2回目のゴルフ」だという完璧な初心者さんだった。

こんなメンバーに囲まれた中で、
俺は今までかつてないほどのパフォーマンスを発揮し輝く未来を手に入れなければならない。
しかし、俺が自分のプレーに徹すれば、
当然「初ラウンド」「超ビギナー」の面倒をもう一人の女性が見る事になる。

さぁ、どうする?

俺には、これが最後のチャンスだ。
同伴者達は、これが最初のコンペだ。

俺は、このラウンドでチャンスを掴まなければならない。
彼女たちは、このラウンドでチャンチャンとプレーしなければならない。

そして俺は、自分も面倒を見てもらいたい初心者だ。
そして彼女らは、自分の面倒を見てもらわないとゴルフにならない初心者だ。

と言う事で、簡単に結論が出た。

「自分のプレーに徹する!」だ。

危うく、スタート前に余計な心配をして
心が落ち着かない状態になってしまうところだった。


「でも・・・?」

俺の心の隅から、そんな疑問が湧き起る。

「イイのか?本当にそれでイイのか・・・?」

だって、お前は男だろ?
常にチキンハートでいつもハートブレイクだけど、男だろ?
寒さの厳しい信州に生まれ、朝晩の冷え込みが激しい信州で育った男だろ?
お前が彼女たちの面倒を見るのが普通なんじゃないのか?

心の隅の隅の方から、
小さな声が聞こえてくる。

いや、俺、普通じゃないから!
普通以上に練習していても、全く上達しない人だから!
それに、自分の面倒を見れない人が他人の面倒見れるワケないじゃん!!

こんな状況でも、
俺の頭脳は冷静に状況分析を行っていた。

危なく、スタート前に取り乱して、
脈拍が上がったままプレーに突入するところだった。

「イイのかい?本当にそれでイイのかい・・・?」

お前ほどの初心者なら、
一体どうやってプレーを進めて行けば、
周りに迷惑かける事も無く、プレーの進行も遅くならず、
危険に目に遭わずに安全で安心して無事にクラブハウスまで戻ってこれるのかを
熟知しているじゃないのかい?

心の隅の隅、端っこの端っこの方から
大きな声が俺を包んでいった。

大丈夫だ!心配するな!!

俺は、心の声に負けないくらいの大きな声でそう遮って、
最後のチャンス「ラストコンペ」のプレーを
スタートさせたのだった。
2人の初心者さんの面倒は、最初から最後まで全部俺が見てやるぜ!
と大きな声を張り上げながら・・・。


To be continued.






Posted by アマゴルファー・むら at 23:04 Comments( 16 ) ラウンド コンペ

2013年10月01日

修正

久しぶりにゴルフをした。

ドライバーのスライスに悩まされ、「これじゃ、まともなゴルフが出来ないぞ? 」
練習場に通い詰めスライス矯正に取り組むこと一か月。ありとあらゆる修正方法を試してみた。

・スイング軌道 → 「アウトサイドインからの脱却」
・フェイスコントロール → 「スクエアなインパクトの実現」
・グリップ → 「ストロンググリップとグリッププレッシャーのチェック」
・ポスチャー → 「真っ直ぐズレのないアドレス」
・ボールポジション → 「クラブヘッドの最下点の確認」
などなど、俺がこの5年間1825日と言う時間を費やして学んできた経験と知識の全てをぶっちゃけて「修正に次ぐ修正」「試行錯誤を重ねた」特訓の日々だった。

しかし、まだ何の手応えも感じていないのに加えて、
スライスが直るなんて事はジャンボの宝くじ一等が当たる確率より低い状態だったが、
それでも、毎年参加しているコンペが開催されるとなればまさか不参加と言う訳にはいかない。
さらには、後3週間後には「むらコンペ」も迫っている。
芝の生えているコースで実践の感を養っておかなければ、
「一体、どんな結果が待ち受けているか?」既に明らかである。
その「小説より奇なり」という俺の姿を目の当たりにした参加者は、
失望の眼差しを俺に向けたまま静かにフェードアウトして二度とむらコンペには参加する事は無いだろう。

もし、そうなってしまったら
この6年間続いたコンペもジ・エンド

そして、俺のゴルフライフも
いい事なんか無かったラウンドに夢だけ置き去りのグッバイ青春さ!






コンペ会場の「斑尾東急ゴルフコース」は、
朝から真っ青な秋晴れの空が広がっていた。

参加者のみんなも、
年に一度のお楽しみとあってスタート前からワイワイガヤガヤと盛り上がっていた。





キレイなコースを目の前にして、
俺は、
ある決断に迷っていた。

それは、このラウンドのティーショットでは
「ドライバーを使うべきか?それともやめるべきか?」
と言う事を。

当然、スライスはまた修正出来ていない。
それを分かっていながらあえてドライバーを使う事に
何のメリットがあると言うのか?

となれば、少しはまともなショットを打てるアイアンを使う事が
それこそジェントルマンたる者ではないか?

そうさ。
何が何でも「今年中に100切り!」と宣言しているのだから、
このラウンドはスコアメイクに徹するのが王道であって、
それを実現させるのがと言うものだろう。

ゴルフを始めて既に5年。
このあたりで本気で「脱初心者」を果たさなければ、
俺もまじめに「こらから進む道」改めて考える必要があると感じ始めている。


そんな葛藤と戦っている間に、
俺のティーオフする時間がやってきてしまった。

急ぎ足でティーグラウンドにセットアップする手には、
無意識の中で選んだドライバーが握られていた


「・・・うん、分かった。
ここは逃げちゃダメなんだよな・・・。」


そう自分に言い聞かせて、
俺は、迷いを捨ててスイングした。

すると、俺の目には、
真っ直ぐフェアウェイに向かって飛んで行く白いボールが映り込んできたのだった。


「ヨシッ!」

小さく拳を握り締め、思わずウッと呟いた俺。

あれだけ右に大きく曲がっていたドライバーが、
なんと真っ直ぐ前に飛ぶようになっていたのだった。


「この調子なら、
今日はイケるかも知れないぞ・・・!」


僅かな希望を胸にそっと閉まい込んで、
俺は、
元気よくスタートを切って行ったのであった。






続く・・・。





Posted by アマゴルファー・むら at 22:55 Comments( 10 ) ラウンド スイング コンペ

2013年08月13日

後退

新たに「ドラコンシングルへの道」を歩き始めた俺だが、
練習場ではかなりイイ感触を掴めている。

身長180cm弱のデカイ図体を活かして遠心力を最大限に引き出しながら、
日々のストレスと全く上達しないフラストレーションで鍛え上げた強靭な肉体から繰り出されるショットは、周りの空気をズバババババーン!と引き裂きながらネットに向かってー直線と一曲線に飛んで行っている。

今までのスイングが、
「曲がらない様に曲がらない様にっ」
とかなり遠慮しながら打っていた事もあって「完全な不完全燃焼」だったが、
全てがフッ切れた今にしてみれば「渾身のパワーを使って振り切る爽快感」に全身が包まれている。

俺は今まで、
「どうしてこんな気持ちイイ事を抑えていたのか?」
と自分に疑問を投げ掛けたくなるくらいにフルスイングの快感は止められない。
例えボールが、白い杭の彼方に消えて見えなくなっても・・・。

そして俺は、
この気持ち良さを実際のコースでも発揮するべく
ゴルフ場に出掛けて行った。
場所は、日本一高い場所にあるゴルフ場「菅平グリーンゴルフ」





この時期、避暑を兼ねて標高1600Mのまで行くのが恒例になっている俺。

真夏でも30度を超える事が無いというこの場所は、
根子岳の裾野から雄大な景色を眺めながらプレーが出来る「真夏の楽園」なのだが、
その日はあいにく朝から雨が降っていた。

「涼しい!って言うか、もう寒いんですけどっ。」
と半分震えながらレインウェアを着込んでのプレーとなった。









「レインウェアはかさばるからスイングをコンパクトにしてハーフスイングくらいに抑えて・・・」
などど今までの俺なら言っていたところだが、
「常にフルスイング!」つねフル精神を身に付けた今となってはそんな事は関係ねー。
チントンシャンテントンだろうがハイ!おっぱっぴーだろうが、
練習通りに最後までドライバーを振り抜いて行くだけさ!

結果、

前半「59」の21パットだった。


こうなったら仕方がない。
俺は封印していた「奥の手」解禁した



「チンカチンカのルービー大で!」




そして、
久しぶりのエネルギーに満たされた俺は後半の巻き返しに入った。

トリ、
バーディー、
ダボ、
ダボ、
ボギー、
パー、
などなど・・・。


そして結果、

後半は「48」の18パット。

合計=「107打」


この結果から、
俺は三つの結論を導き出した。

まず一つ目。

「ドライバーを万振りしてもスコアには関係がない」
と言う事。

そして二つ目。

「ドラコンを取ったホールは一つも無かった」
と言う事。

そして最後。


「パット数が今までに比べて増えてきている」
と言う事。


どうやら、飛ばすことばかり専念した為、
肝心なパット練習がおろそかにしていた影響がここで出てきている。

ゴルフ初心者でも、唯一自信を持っていたパット数が・・・。


上達するどころか、
さらに下手になっている俺が
今ここにいるのだった・・・・・。





Posted by アマゴルファー・むら at 23:11 Comments( 14 ) パター ラウンド

2013年07月10日

僅かな自信

米山水源カントリーでのバックティーからの挑戦。
俺は、遠く離れたグリーンを見つめてティーショットのイメージを描いていた。

「大丈夫。あれだけ練習してきたんだから、
きっと上手くいくさ・・・。」


3か月に渡ったスイング改造では、
ひたすら「上体の捻転差」だけをマスターすることに意識を注いてきた。

もし、この動きの一部でも身に付いているのなら、
飛距離は確実に伸びているに違いない。
きっと、目の前に広がる池は軽々と越えて行くだろう。
そうさ。バックティーからプレーしたって、
距離の長さを感じて「俺にはまだ無理だった・・・。」と挫折感を打ちのめされる事も無いハズだ。

「とにかく、自分を信じて打って行こう。」と心の中で呟きながら、
俺は無心でドライバーを振り抜いた。

ビュン。
ガツン。
ボチャ!

チーピンで飛び出していったボールは、呆気なく目の前の池に飛び込んで行った。

「いきなりコレかよっ。」

池を超えるまでには100ヤード打てば問題が無かった。
それなのに俺のドライバーショットは、Pwで打つよりも飛んでいない。
この現実を一体どう捉えればイイのか?

「こっこれが、バックティーのプレッシャーなのか・・・?」

果てしなく遠くに見えるグリーンに、「飛ばさなきゃ!」という意識が働いて
力が入ってしまったのは誰の目にも明らかだった。

第1打目から、俺の試練は始まっていたのだった。



県アマ予選会へに向けての練習ラウンドを兼ねているMオヤジは、
そつないプレーを進めていた。

1打目にフェアウェイを外していても、2打目をラフからグリーンに乗せてくる。
仮に2打目がグリーンに乗らなくても、アプローチでは確実に1ピン以内にボールを運んで、
「パー」「ボギー」で納めていた。

俺は、半分悔しがりながらその上手さの秘訣を探ろうと
Mオヤジのプレーを注視していた。

その中で分かった事が一つあった。
それは、「Fwの使い方が抜群に上手い」という事だった。

やはりバックティーから打つとなると、どうしても第2打目には180ヤード以上の距離が残る。
例えば、俺がこの距離を埋めるには、5番アイアンかもしくはUT、Fwを使う必要が出てくる。
でも、6番以上のアイアンはほとんど練習してなし、
Fwに限ってはまともにインパクト出来た試しがない。
ドライバーと同じく、右に行ったり左に行ったり、トップ、ダフリの連発だ。
これが俺の現状だが、Mオヤジは違った。

1打目にミスをしても、Fwを持てばそれがカバー出来ていた。
飛距離、方向性、弾道のどれをとってもナイスショット!を連発出来ているのだった。



前半のプレーを終えて、俺のスコアは「69」
どう見てもバックティーからプレーするレベルでは無いのはここでもハッキリしていた。

本来なら、この悔しさをビールを飲んで晴らすところだが、
あいにく俺にはまだ医者の許可は出ていない。
しかたなく水で我慢をしてランチをさっさと終わらせて、
直ぐに練習場に向かった。
「こうなったら、午後のプレーまでに矯正してやる!」
と、時間が許す限りボールを打ち込んだのだった。


その甲斐あってか、
後半のプレーは見違えるような打球が連発していた。

ドライバーショットも、Mオヤジに引けを取らないホールがいくつもあったし、
パーを記録するホールもあった。
何より一番良かったのは、常に「オナー」でティーショットを迎えていた事だった。

後半9ホールの内、オナーを渡したのはわずかに1回のみ。
後は全て俺が始めにティーショットを打っていたのだ。
きっとこれは、Mオヤジにしてみれば「屈辱」以外の何物でもなかったと思うが、
俺にとってはまさしく「名誉」そのものだった。

そして、後半のプレーが終わってスコアを計算した俺は、
自分の目を疑った。

「えっ、46!?」

まさか、数え間違いじゃないだろうな?
でも、ほとんどオナーやってたし、パーだって2つ取ってるし、
そー言えば、ボールも1個しか無くなってないし。

マジですか、コレ!!

思いがけないビックスコアに驚いていた俺だったが、
同伴者一同もビックリしていた。

それは、そうだろう。

レギュラーティーから回っても100切りすら出来ない俺が、
バックティーから回って後半「46」だなんて。

前半のプレーと後半のプレー、一体何が違って何が良くなったのかは
実のところ良くは分からない。
しかし、ただ一つ言えることは、
「シングルプレイヤーへの道」は、確実に近づいているかも?と言う事だ。


そして俺は、
僅かな自信を感じながら、
この「米山水源カントリークラブ」を後にしたのだった。





Posted by アマゴルファー・むら at 23:59 Comments( 23 ) ラウンド 100の壁 シングルプレイヤー

2013年07月02日

バックティーへの挑戦

一か月ぶりにゴルフに出掛けた。

場所は、「米山水源カントリークラブ」
新潟県の日本海に面したゴルフ場だ。





しかし、信州に住む俺が、
何故わざわざこのゴルフ場までやってきたのか?と言うと、
それにはしっかりとした理由がある。

俺の予約した日は「サンキューDay」として、1ラウンドのプレーフィーがなんと「¥3,900」
この金額なら、長野から車を飛ばしてガソリンを使っても¥10,000円を超える事はない。

まったく、ボンビーゴルフファーの財布事情を良く心得ているじゃなか。
月に2回のイベントと言わず、ぜひエブリーディで開催して欲しいと俺は切にお願いしたい。

だが、これだけが理由ではなかった。

今回の同伴メンバーは、
時々俺のスイングについてアドバイスくれるMオヤジ。
毎年、「県アマ」と呼ばれるゴルフ競技会に出場しているベテランゴルファー。

その予選会が、近々この「米山水源カントリー」で行われるという事で、
「練習ラウンドに行くけど、お前来る?」
と誘われたからであった。







「第1回むらビギナーズコンペ」から1か月。
あの不甲斐ないスコアをを払拭するため
一心不乱に練習に打ち込む日々を過ごしてきた俺。

プロから教えてもらっている「スイングの基本」も、
だいぶ身体に染み込んできたように感じる。
そろそろ結果が出てきてもおかしくない頃だ。

「ヨシッ!今日こそは俺の全てを出し切ってやるぜ!!」
と勢いよくスタートホールに向かったのだった。





しかし、ここで問題が発生した。

県アマ予選会の練習ラウンドでやってきたMオヤジは、
「俺は、バックティーから打つけど、お前はどうする?」
といきなり即答出来ない質問を投げかけてきたのだった。

「えっ。バックティー!?」

そんなの無理だ。
だって、100切りすら出来ない俺がさらに遠くのティーから打つなんて、
もっと酷いスコアになる事は目に見えているじゃなか。

それに俺、ゴルフ初心者だぜ?

ゴルフ場のルールに寄れば、
「バックティーの使用は、シングルかそれ同等のレベルを持つプレイヤーに限る!」
となっているんじゃないのか?
どう考えても、「それはマナーに反します」と言われちゃうぞ。
「ティーバック」好きだけど、バックティーはいただけないぜ。

一体どうしたらいいのか、返答に困ってしまった俺。
状況だけ考えれば、レギュラーティーからのプレーが最適なのは分かっている。
しかし、「後ろから打つ」という絶好のチャンスを逃すなんて、
「常に挑戦」を信念としている俺としてはそれは出来ない選択でもあった。

だが、バックティーを使う事によってプレー進行が遅くなってしまったら、
それはゴルファー精神にも反する事になる。
「前の人酷いプレーしてるけど、バックから打つレベルじゃ無いんじゃないの?」
と後ろの組からクレームが入る可能性だってある。

頭の中で色んな状況がぐるぐる回って、
一体どうすればいいのか?と悩みに包まれてしまった俺だが、
結局、口から出てきた言葉は、
「もちろん、俺もバックから打つぜ!」
だったのだ。


遂に始まった新たなる挑戦。

そして俺は、
目の前に広がる池を少し高くなっている場所から見下ろしながら、
ティーショットのイメージを作って行ったのだった・・・。

To be continued.









Posted by アマゴルファー・むら at 20:03 Comments( 21 ) ラウンド 競技会 シングルプレイヤー

2013年06月06日

「第1回むらビギナーズコンペ」開催

全国のゴルフ初心者のみんなが今か今かと心待ちにしていた
「第1回むらビギナーズコンペ」がついに開催された。

場所は、信州にある「篠ノ井ゴルフパーク ウィーゴ」





日本列島が梅雨入り宣言されたウキウキなこの時期に、
あえて「初心者限定のコンペ」を開催するに当たっては
事前に多くの苦情も寄せれらてもおかしくない状況だった。

「どうしてこの梅雨に開催するんですか?」
「雨が降ったらどうするの?」
「コース初デビューなのに、雨なんて嫌です!


しかし、そんな苦情がを一切届かないことをイイ事に、
俺の開催準備は着々と進んで後は、
お天道様に祈りを捧げるだけだった。

そして、当日。

前日からの「悪天」という天気予報を大きく覆す「好天」に恵まれたのは、
「俺の祈りは天までも動かす」という事実を証明する場にもなったのだった。





今回、このコンペに集まったのは総勢12名。

ゲスト参加の「市橋ティーチングプロ」を除けば、
ほとんどの参加者とは初顔合わせになる。

俺が知っている唯一の情報と言えば、
「ゴルフ初心者」という事のみで、あとは全く知らない。

その容姿にその素性、
一体どこからやってきて、普段はどんな生活を送っているのかなど、
何の情報も無いまま開会式が始まった。


「どーも。むらですっ。
ちゃんと生物として存在してますよっ。わたし。」


俺の挨拶の第一声がこの言葉だった。

噂によると、
このコンペに参加した理由は、「好奇心から」が一番多いらしい。
次いで第2位の理由は、「つい、うっかり」

どうやら、コンペに参加したいというよりも
「一度くらい間違いを犯してみたい」という人間の本能が働いてしまった感じである。

全員が初対面という事もあって、自己紹介では、
名前に続けて「どこから来たのか?」を言ってもらうことにした。

すると、驚くべき地名が飛び交ったのである。

群馬
・静岡
・東京
・栃木


なんと、半分以上が信州以外から参加者のだったのだ。

俺の出身の「ろすあんじぇるす」を含めれば、
なんとワールドワイドなコンペなのだろうか?
全米、全英に続き、「全むら」とメジャー大会にも加えて欲しいくらいだ。


今回、俺と一緒の組になったのは、
・TAKUさん
・るぅち48さん
・ひろれおさん

の3人。

全員が全員ゴルフ初心者だと言う。

しかもTAKUさんについては、ゴルフ歴2ヶ月。
これがコース初デビューとなる正真正銘の初心者だった。





最初のホールは、打ち上げのショートホール。
ますはここで、始球式が執り行われた。







もちろん、始球式のボールを打つのは
じゃなくて市橋プロ。

プロには今回、「コンペ参加者の一人」として組に入ってもらったので、
「プロのスイング、プレーを見たい!」との思いが叶わない人もいる。

「どうして私プロと同じ組じゃないのよっ!」
との怒りのクレームが出ないように、
俺が考えた「作戦1」がコレだった。


プロの、ゆったりとしたテークバックから繰り出されたアイアンショットは、
青く澄みわたった信州の大空に艶やかなカラーボールを舞い上げて行った。

おおぉーーー・・・。

大きな歓声と共に羨望のため息がホールに響く。

素晴らしい。
見本となるショットを迷わず披露するところはさすがはプロだ!

そして、注目の俺のティーショット。
いいイメージが頭に残っているので、
俺も何のためらいもないままスイングした。

うひゃーーー・・・。

小さな絶叫と共に絶望のため息がホールにコダマした。

なんと俺が打ったボールは、
左に大きく引っかかって林の中に飛び込んでいった。

スタートホールからOB。
この日の為に最高恰好のイイ姿を見せようと練習をしてきたのに、
それが最悪の恥ずかしい姿を見せつけてしまうだなんて、ショックだ。

さらには、全国から集まっている参加者に、
「日記に書かれている内容は全て真実」だと証明した事が、
この苦痛をもっと大きな「ショックメガ盛り・つゆだくで」に変えていた。


そして俺は、
この失意を引きずりながら、
さらにプレー進めて行ったのだった・・・。

To be continued.




Posted by アマゴルファー・むら at 15:59 Comments( 18 ) ラウンド コンペ

2013年05月25日

兆し

今シーズンの初ラウンド。
俺は、レッスンの成果のカケラも無いまま前半のプレーを終了した。

チーピン、どスライス、トップ、ダフリなど、
ゴルフ初心者が持つすべての技を披露しながら巨大なターフを所々削っていた。

前半のスコアは「68」
パット数は「19」

我ながら「よく数えたな」と褒めてあげたいところだったが、
ホールが進むに連れてその文字は読み取れないほど乱筆になっていたので、
「よく計算したな?」と言い換えなければならなかった。

OBにバンカーに池ポチャに林でロスト。
グッバイボールも4つを数え、
後半のボールが足りるかどうかを心配しながら
俺は前半を振り返りながらランチを取った。

「全く良い所が無いよな・・・。
一体、何がイケナイと言うんだ・・・?」


一つのショットが失敗に終わる度に、
自分なりのフィードバックは行なっていた。

「力が入り過ぎちゃったな。」
「今のはヘッドアップだよ。」
「体を右に向けてアドレスしてるって。」


悪い点を意識しながら次のショットをしてみても全く改善しなかった事を考えると、 
もしかしたら別の点を意識することが必要なのかもしれない。

「何だ・・・?
俺のどんな所が悪いって言うんだ・・・?」


家に帰ってきて靴下を裏返しにしたまま脱ぎっ放しにしている、ところか?
それとも、ヨーグルトの蓋に僅かに付いている残りを気付かれない様に舌で舐めちゃう、ところか?
それとも、隣で気持ち良さそうに丸まって寝ている猫のお腹に「ウリウリー!」と頬ずりしてその安眠を邪魔してしまう、ところか?
いや、そんな事はゴルフには関係ないさ。
もっと、違う点を探さないと後半のプレーも悲惨な状況になってしまうぞ

俺は、
レッスンでプロから教えてもらった記憶を呼び戻す作業を始めた。
しかし、指摘された点が莫大な量になっているので思い出すことは困難を極める。
さらには、改善点を発見したとしても、
全てを一気に修正出来るほどのメモリーが俺の脳には備わっていない。

また、新たな問題が発生したが、
とりあえず俺は「アドレス」だけを意識しながら後半のプレーに入る事にした。

足を広めに開いて、
腰をドカッと落とし、
背中を少し丸め、
肘をゆったり構えてクラブを持つ。

後は、ゆらゆら振り子イメージしながら上半身を捻って戻すだけ。

ただこの点だけに全神経を集中して
後半のプレーに入ったのだった。





不思議なことが起こった。

あれだけダメだったドライバーが、
なんとグッショ!を繰り返したのだった。
まるで、エイジシュート達成したジャンボ尾崎の様に。


「そうか、アドレスだったのか・・・。」

俺の脳裏の隅には、
「ゴルフは、アドレスに始まりアドレスに終わる」
という格言が刻まれた。

そして、
目の前に見える霊仙寺湖に向かって、
拳を小さく握りしめてつぶやいた。

「これなら、ビギナーズコンペは大丈夫だぜ。」


ホッとひと安心して胸を撫で下ろした俺だったが、
肝心なスコアが悪かったことは全く忘れ去られたまま、
今シーズンの初ラウンドを終えたのだった・・・。





Posted by アマゴルファー・むら at 19:40 Comments( 15 ) ラウンド アドレス

2013年05月20日

焦り

俺、大変なことを忘れていた。

「まだ、今シーズン一度もラウンドしていない」事を!


シーズンインして既に二ヶ月。
黄色かった芝も青くなりゴルフ場本来の姿を見せ始めている。
気温も暑くもなく寒くもなく、爽やかな風が吹いているこの陽気。
森の緑も深くなって、新芽もいぶき、色鮮やかな花も咲き始めたこの時期に、
まだ一度もゴルフをしていないとは俺としても迂闊だった。

さらに2週間後には、「第1回 むらビギナーズコンペ」も控えている。
 
毎週練習場で体を慣らしていると言え、
ぶっつけ本番でコンペを迎えたら、
俺の想像を絶する世界が出現する可能性が極めて高い。

俺を焦って、すぐにゴルフ場に向かった。




「飯綱高原ゴルフコース」


このゴルフ場、9ホールで出来ているパブリックコース。
なので、突然一人で出掛けて行ってもプレーが出来る。

しかも、18ホールのラウンド料金が、
¥5,000出してもお釣りが返ってくるほどリースナブル。

株価が上がり経済が好調になって給料も上がる!などと叫ばれ始めた現在だが、
俺の小遣いのと株価には何の連動性も無いので、
この安さはまさしく「ゴルフ界のドン・キホーテ」なのである。



「今シーズンの初ラウンドだから、今日は様子見で行こう。」

柄にもなく気合の抜けた状態でティーショットの準備をしたが、
やはり、「レッスンの成果がどこまで出るのか?」は少し気になる。

この日までに既に4回のレッスンが終わっていた。

毎回指摘されている部分は常に同じで「ボールを打ちに行かない事」
この一点だけに集中して練習しているのだから、
少しは粘りのあるスイングも出来るようになっているかも知れない。

ヨシ!
今日ラウンドでは、
「飛ばすぜぃー!」とか「狙うぜぃー!」とか「寄せちゃうぞぉー!!」とかの思いは捨てて
「プロの教えを守る」徹しようじゃないかっ!!



緊張のティーショットは、まあまあ上手くいった。

ライナー打球だったが前に飛んだのでそれでOK。
フェアウェイから第2打が打てるなんて、初ラウンドにしては上出来さ。

「残り160ヤードか・・・。」

普通の俺なら、ここで7番アイアンを持ってスバッとクラブを振り抜くところだが、
しかし、今日は調整ラウンドで、さらに「教えに忠実」と決めている。

俺は迷わずPwを手に取った。

「グリーン手前に落としてアプローチで寄せる。」

これなら、無理してグリーンに乗せる必要もないから、
リラックスしてボールが打てる。

ミスっても、100ヤード飛んでくれればそれでイイ。
飛距離を求める必要がない分、
意識は方向性に向けられる。

ターゲットをしっかり確認して、
俺はセカンドショットを打った。


ガツンッ。ボコッ。コロコロ。

思いっきりダフってしまった。

俺は、痛めた地球に謝りながら、
自分の状態を改めて悟った。

「ヤバイぞ。このままじゃヤバイって!」

たった100ヤード飛ばせばいいショットでも
まともにインパクトすることさえ出来ない。
いくら今シーズン初ラウンドだからと言っても、
もう5年以上もゴルフをしているんだぞ、俺は?

なのに、この結果は何だ?

しかも、年間15ラウンド以上を常に行い、
毎年ゴルフスクールに繰り返し入り、
毎週の様に練習場へ出掛けているっていうのに、
このダフり方は一体何なんだ?

ボール一個分の芝、いや、わらじ一足分がゴゾっと飛んでいったじゃないかっ。
しかも、ボールよりターフの方が前に飛んでるぞ。

こんな状態でビギナーズコンペを迎えるだなんて、
主催者の俺としては到底出来やしないぜよ!!


スタートホールのPar4を「7打」
しかも3パット。

空は青く澄み渡っていると言うのに、俺の心は大きく乱れていた。

この乱れた心を何とか落ち着けなければ、
今日のラウンドは悲惨な結果になることは明らかだ。

「スゥ~、ハァ~、スゥ~、ハァ~。」

深く深呼吸をしながら次のホールに向う俺だった・・・。


To be continued。




Posted by アマゴルファー・むら at 21:41 Comments( 12 ) ラウンド 自主練習

2012年11月28日

最後のラウンド

俺は、今シーズン最後のラウンドに出掛けた。

場所は「大浅間ゴルフクラブ」







軽井沢に程近いこのコースへは年に一度しか来くる事が無いが、
アマチュアの大会も開かれているこのゴルフ場なら、
俺のラストラウンドを迎えるに相応しいコースだと言えるだろう。

そうさ、
打ち上げのホールが多く、グリーンの芝目はキツく、
しかも、
ガードバンカーばかりに囲まれている砲台グリーンで「100切り」が達成出来たのなら、
まさしく「脱・初心者」として認められるに違いない。


ゴルフを初めて早5年。
それはまさしく「試練」「苦難」の連続だった。

練習始めの頃は、クラブの持ち方すら分からずに
ワシ掴みでブンブンとドライバーを振り回していた。

「ボディーターン」という言葉に惑わされ、
ひたすら身体を捻じって肋骨にヒビを入れた事もあった。

練習場ではシャフトを折り、
コースでは「グッバイボール」を何度も出し、
「プレーが遅い!」とマーシャルカーに追いかけられた事もあった。


俺の名は、「アマゴルファー・むら」だが、
その名前を「むら・飛馬雄」と改名した方が良かったんじゃないか?と思うほど、
厳しい厳しい道のりだった。

しかし、そんな思い出とも今日でオサラバさ。

俺は、このコースで今までの屈辱を晴らして、
来シーズンからは「新生むら・シングルへの道」へとステップアップするのだからな。









とても晴れた天気のイイ日だった。

黄色一色に染まったコースの中で、
緑のグリーンが輝いている。





この大浅間ゴルフクラブは、
通常なら「全てキャディー付き」のプレーになるが、
シーズンオフ間近のこの時期「特別感謝デー」として、
セルフプレーでラウンド出来る。

スタート前に、キャディーさんからあーだこーだと説明を受けて、
「とにかく、日暮れが早いからスロープレーにはならないでね!」
と念を押されてからのスタートとなった。





緊張のスタートホール。
このティーショットが上手く行けば、きっと後は何の問題もなくプレーが続くだろう。

俺は、
ドラコン王者安楽プロから伝授されたポイントだけに意識を集中して
スイングしたのだった。

ビュン。バツン。ズババババーン!

信州の冷たい空気を引き裂いて、
俺のボールは空高く真っ直ぐ舞い上がって行った。


「おぉぉぉ~。」
「ナイスショット!」
「どうしたの?別人みたいじゃん!」


同伴者の全員が、俺のティーショットに驚いていた。


フッ。俺はもう、今までの「むら」ではないんだよ・・・。

「いきなりOBを出す」とか、
「最初からファー!と叫ぶ」とか、
「また、ボールを捜しに行かなくちゃ」って心配はもう無いんだよ・・・。

俺は、「当然だろ!」というドヤ顔のまま、
ただ淡々とプレーを進めて行ったのだった。


インコースの10番、522Yロングホールを「ボギー」
続く11番369Yのミドルが「ダボ」
そして、143Yのショートホールが「+5」「9打」。しかも「4パット」を叩いてしまった。


「やっぱり、俺の実力ってこんなモンだったんだ・・・。」

この時点で、心の杖が折れて諦めモードに入りかけたが、

いや!今日で今シーズン最後なんだぞ。
もう、ゴルフをしたくてって雪のコースじゃボールが常にロストになるんだぞ。
だから、ここでヘコタレてる場合じゃないんだ!

と、意識の奥の言葉が俺の心を奮い立たせてくれた。

そして、
続く2ホールを1パットで凌いで、
なんとか踏ん張りのプレーを続けたのであった。


気合いの入った前半を終了し、スコアは「53」
パット数は「20」だった。


やぱり、芝目のキツイこのグリーンに翻弄されてしまったが、
まだこのスコアだったら、後半巻き返せるチャンスがある!

俺は、ランチの「チンカチンカのルービー生で!」を我慢して、
後半のプレーに賭ける決意をしたのだった・・・。





To be continued.





Posted by アマゴルファー・むら at 12:01 Comments( 9 ) ラウンド