脱・ゴルフ初心者の練習日記

注目の、俺の第1打目。

今までに見た事がない打球で真っ直ぐ飛んで行った。
手にしたクラブはクリーク、5番ウッドだ。

実は最近の俺、
ドライバーを使った事がない。
練習場でもそう。実際のラウンドでもそう。

使わなくなって、もう二ヶ月は過ぎだろうか？
キャディバックにはしっかり入っているが、
その「XXIO」の性能が発揮される事は全くなかった。

なぜ、俺がドライバーのクラブを捨てたのか？
その答えは簡単だ！


「スコアがまとまらない」から。


ドライバーを使えば、

曲がる
　↓
ＯＢ
　↓
2打損する
　↓
14ホール×2打損する＝26打
　↓
パー72＋26＝９８


と言う事で、
俺がどんなにパットの天才だとしても
常に18パットのキャッシュインを使ったとしても、
ベストスコアの95を更新することはないのだ！


そして、俺が至った結論は、
「ドライバー封印作戦」
題して、
ショートウッドとアイアンの「ヘビーローテーション」だったのだ！！

会いたかったぁ～会いたかったぁ～会いたかったぁ～ ＹＥＳ！

それにしても板野はカワイイ！



改心の当たりだった1打目は、
あいにくバンカーに入っていたが、ココからの2打目がまた凄かった。

残り距離220ヤード。
グリーン手前の右側には大きく池が広がっているが、ここを避けてのショット。
5番アイアンは見事な放物線を描いて飛んで行ったのだ。


俺は、この時確信した！


「今日はイケる！」と。


これからプロの待っているホールでも、
成長の姿を披露出来る喜びを
確信していた。



続く3打目。
残り40ヤードのアプローチ。
これが乗ればパーオンで、さらに上手く行けばバーディーも狙える状況だ。

ボールのライは悪くない。
ラフにはあるが洋芝の逆目に位置している。
ちょっと気掛かりなのは、池越えになるピン位置だが、
いつも通りに振り抜けば問題ないだろう。


そして俺は打った。



「ポチャ」


うん？今、入っちゃった？？


そして、
また打った。


「ポチャン」


あれ？また入っちゃた。！？


２球も続けて池に打ちこんでしまったが、
こんな所でヘコタレテはいけないぞ。

だって、さっき確信したじゃないかっ。

「今日の俺はイケてる」と。
「I want you ,I need you, I love youでGETだぜ！」と。
「板野友美も可愛いが江口愛美は最高ーだぜ！」と。

失敗に眼を向けるより、
これからの動作に全てを集中しようぜ。俺。


そして、もう１球打った。


「あ”ー！そっちに行くなー！」

危うくまた入りそうになったが、
何とか池の縁で止まってくれた。

しかし、そのままボールを打つ事が出来ない。
アドレスを取れば池の中だ。

仕方なくアンプレイヤブルを宣言して打ち直し。
結局１番ホールから１０打を叩いてしまった。



やっぱり、いつも通りの俺だった。

イケると思ったのは気持ちだけで、
ゴルフのプレーは相変わらずだ。

しかし、今日はプロがいる。
この後のホールで一緒にプレーしてくれる。
俺のゴルフの一体何がイケなくて、何をどうすればいいのか？を
その場でアドバイスしてもらえる。

おまけに、プロのプレーを間近で見れるなんて、
もう最高の学びになるじゃないか。


「どう？調子は？」

なんて、グリーンで待ってたプロが声を掛けてきた。


「あっ、荒井プロ！もう、メチャメチャですよ。相変わらずで・・・。」

そんな俺の悲痛な叫びは届かずに、
「さあ、行くよ！」と、
これから３ホールのラウンドレッスンが始まった。



とにかく、「プロの何が凄いのか？」と言うと、そのアドレスだ。

全く微動だにしない。
まるで、足に根が生えているようにどっしりと構えている。
でも、全身の力が抜けたしなやかなスイングは、
ぶっ飛びの打球を繰り出している。

もう、構えた時点で
「これはイクぜ」と予感させるアドレスなのだ。

さらにこのアドレスは、
パッティングでも同じだった。

不思議とプロが構えると、
例え２メートル位の嫌な距離でも、絶対に外さない空気が流れる。

ピタッと止まり、ブレる事のないアドレス。
そして、
ゆっくりとした力みのないストロークは、
どんなライであってもナイスタッチで合わせてくるのだ。

アドレスを取っただけで、全てがイケるというそのオーラ。

これがプロか？プロの実力なのか！？



そして、
俺のプレーを見続けたプロは、
こう言った。


「それじゃ、何やっても上手くいかないよ。」


えっ？
どういう事ですかっ、ぷろ！？

右に行ったり、左に行ったり、暴れてる俺のショットを見ていたプロは、
こう言った。


「だって、言われた事全然やったないじゃん！
スイングドリルの効果だって全く出てないし！
それじゃ、何やっても上手くいかないよ！！」



ガーン！



何をやってもダメ。
何をやってもダメ。
何をやってもダメ・・・。


頭の中、ガンガン鳴ってる言葉たち。
それはMUSICとなって、ヘビーローテーションしている。



そして、

俺は、

ある決意を胸に秘めたまま

このラウンドレッスンを終了したのだった・・・。