2008年10月10日

最終話。「ソレってゴルフなの?」

「これを沈めれば、バーディーだ・・・。」




むら感謝還元コンペの最終ホール。

今まで、全くイイ所ががなかった俺だが
ついに、生まれて始めてのパーオンを果たし、
生まれて始めてのバーディーチャンスに出会った。

しかし、
「オール信州アマチュア選手権」を二日後に控えたここ信濃ゴルフ倶楽部は、
すでに12フィートの転がりがありそうなグリーンに仕上がっている。

しかも、ピンポジションは、
マウンドのすぐ上。

ピン下2メートルに付いている俺のボールは、
タッチが弱いとマウンドを登らず、
逆に強いとピンオーバーは確実な状況だった。



最終話。「ソレってゴルフなの?」



「こんな広いグリーンなのに、何も
あんな所にカップを切らなくたっていいじゃないか・・・。」



不満にも似たつぶやきが、思わず俺の口から漏れる。

でも確かに、それはみんなも感じていることだろう。




ちなみに、この9番ホールのロケーションはこうなっている。


最終話。「ソレってゴルフなの?」



「ヨシッ。
ここは欲をかかずに、寄せてパーで行こう!」



そう。
今までも、欲望の甘い誘惑に任せてミスを起こしてきた俺。

このチャンスだけは、ムダにしてはいけない。

もしかしたら、今シーズン二度と訪れないかもしれないチャンスなのだから・・・。




「タッチだ・・・。タッチを上手く合わせれば大丈夫だ。
ソフトタッチを、少しだけ激しくくらい・・・。」



そして、俺は打った。
生まれて始めてのバーディーパットを。



コツン。
ころころ。



「あっ。弱い・・・。」



やっぱり、早いグリーンを嫌がって、
思ったより弱めに打ってしまった。


「たっ頼む!
マウンドだけは登ってくれー!」



でも、
俺の願いは届かなかった・・・。




ころころころ・・・。




戻ってきたボール。
しかも、打った場所より後ろに帰ってきている。


「あちゃー。
やっぱりヤッテしもうたかぁ・・・。」



他の二人も、それを見て苦笑いをしている。



「よし!今度はもう少し強く打つぞー!」


再び、マウンド越えのパッティング。


コツン。
ころころ。



「おっ。いいぞ。イケー!」



しかし、もう少しでマウンド越えという所で、
またボールは、コロコロと戻ってきてしまった。

しかも今度は、グリーンを外れてカラーの上に。


「何だよっ。ボールが段々と遠くなっていくじゃんっ。
もう・・・。」



「もう少し、強く打たなきゃマウンド越えないよ。」

とMさんが声を掛ける。

「それは分かっているんですけど~。
でも、強すぎると逆にまた転がっちゃうじゃないですかー。」



速いグリーンの上に、
難しいカップの位置。


競技会に出場するプレーヤーは、
みんな、こんな状況で戦っているのか。


もう、
スゴイ!
としか言いようがないな。




「じゃぁ、今度こそ、少し強めで。」


気を取り直してのボギーパット。



コツン。
ころころころ。



「いいぞ!行けー、行ってくれー!」



しかしまた今度も、もう少しの所でマウンドを登りきらず、
ボールは、コロコロと帰ってくる。






ところで、
あなたは、松村和子という人を知っているだろうか?



髪は、腰まで伸びるワンレングスに、
衣装は、江戸時代の旅人風。
ベンベンと三味線を抱えて演歌を歌う人だ。


その人の代表作に、
「帰ってこいよ」
という歌がある。


べんべんべべ~ん。べけべけベンベンべん。
べけーべ、べんベンベン。
♪ きィ~っいっと帰ってぇ、来るんだとぉ~
  お岩木山で~ 手を振ーれーば~ ♪


俺、この歌、
結構好きだ。


そして、サビの部分は、
こう歌っている。


♪ 帰ってこいよ~ 帰ってこいよ~ 帰ってこーいーよ~ ♪
べんべんべケべん。べんべんべケべん。


でも、俺の今の気持ちは
こうだ。


♪ 帰ってくるな~ 帰ってくるな~ 帰ってくーるーな~ 



「俺って、学習してないよなっ・・・。」



「ノミの心臓」

という事はよく聞くが、
「ノミの脳ミソ」
とは、多分俺のことだろう。

1ミリもないみたいな。



「分かったよっ。
もっと強く打てばいいんだろ。強く打てば。」




ガツン。
コロコロコロ~。



「あ”~。やっぱり行き過ぎちゃったかー」


勢い良くマウンドを登ったボールは、
カップを過ぎてさらに遠ざかって行った。




「ちょっと、一息入れたほうがいいじゃない?」


「むら。一回休めよ・・・。」



半分あきれ気味に、同伴者の二人が声を掛ける。


「はい・・・。一回エクスキューズで・・・。」



アドレスを外して素振りをしてみるが、
もう、カップに入る気がしない。


この9番、ホールアウト出来るのだろうか・・・?


俺が、悲しい気持ちになっている間に、
他の二人はそつなくカップイン。

後は、俺のパットを残すだけとなってしまった。



「ココからは少し下りのラインだから、
軽く打ってピンに寄せるだけにしよう・・・。」



しかし、軽めに打ったボールは、
見事芯に当たって勢いよく転がっていく。


「いっ行くなー!
行っちゃダメなんだぁ~!」



カップを通り越して、再びマウンド下に転がって行ったボールは、
一番最初にパットをした地点に行き着いた。


「もう、ヤダ!
絶対に入らない気がするよぉ・・・」



泣き声になりつつある、俺の叫び。

でも、
諦めちゃいけない。
ここで諦めちゃ、シングルプレーヤーにはなれないぞ。

アマゴルファー・むら。
ゴルフ暦一年の初心者さ。




6パット目で、また届かず。
7パット目で、ついにピンそば30センチにつける。

そして、
ついに、
最後のパット。



カッコーン。


「入った!やっとカップに入ったよっ。」



合計パット数は、
8パット。


記録にも記憶にも、残るパットとなってしまった。






全員ホールアウトして、お楽しみの結果発表。

新ペリアのハンディ戦は、男性陣が上位を独占。
でも、女性陣もしっかり賞品はゲット。

それぞれが、それぞれに楽しんだ様子だったので、
第1回目の「むら感謝還元コンペ」も大成功だったと言えるだろう。


初対面の人もいたが、コンペが終わるころにはすっかり仲良くなって、
「また、一緒にラウンドしよーね~」などと話す事もできた。

やっぱりこれも、ゴルフの楽しみの一つだ。


また、
もし、
次回の開催がある時には、
もっと多くの仲間が集まってくれるようなコンペにしたいなぁと思いつつ、
コンペは終了したのであった。


終わり。


最終話。「ソレってゴルフなの?」






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Posted by アマゴルファー・むら at 23:55│Comments(7)コンペ
この記事へのコメント
ご愁傷様です。多分私も プロゴルファーあまさんの上いくスカ飛ばしだと思います。
ゴルフやった事無いし。
中・高校時代、精神落ち着かせないと レシーブファールばっかのくちでした。
Posted by ブランフェムト at 2008年10月11日 20:14
失礼しました、HN書き間違えました。
ごめんなさい(>_<)。
Posted by ブランフェムト at 2008年10月11日 20:19
で~た~(゚д゚lll)!!

高速グリーンの無限地獄  〓■●バタッ

お疲れ様でした(笑)


そうそう、早いグリーンの後の次のラウンドは、ショートしがちになるので要注意ですよ!
Posted by ごんぼ at 2008年10月11日 22:04
ブランフェムト さん。
いらっしゃいませ~。
そーですか。じゃあ、この機会にゴルフを始めませんか?
楽しいですよ!すッごく。
一緒に、「ファ~」の合唱をしましょう!

ごんぼさん。
はい・・・。やってしまいましたっ(悲)。
普通、いないですよね?そんなにパット打つ人なんてっ。
伝説を、また一つ作ってしまいました・・・。
Posted by アマゴルファー・むらアマゴルファー・むら at 2008年10月12日 10:42
8パット・・・・・・・・^^
多分~私だったら7パットで入れてみせますよ・・・1打勝ち!イエ~イ!

でも、難しそうなグリーンですね!
お疲れさんですぅぅぅぅ~



※パットしないコメントで、ゴメンナサイ^^;
Posted by B型女 at 2008年10月12日 12:10
あたしは、6年前、群馬の藤岡温泉っていうゴルフ場の、
ショートホールで1オン8パットやりました。

2段グリーンの高低差が1メートルくらいあって、
オンしたのが段の下。

同じように段の途中で何度も戻ってきてパニック。

最後は、段の下ぎりぎりまで打って、次で上の段に
乗せる作戦で大成功・・・って、気分は最悪・・・凹
Posted by みら@ at 2008年10月12日 22:31
B型女さん。
ほんと、負けそうです。
その、親父ギャグに・・・。


みら@さん。
えっ?みら@さんもヤッテしまってたんですね~。
それは、確かに凹むでしょう。1オンで8つも叩いちゃえば。
同じく、伝説を作ってしまいましたね~。
Posted by アマゴルファー・むらアマゴルファー・むら at 2008年10月13日 09:33
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