2009年04月13日

女王誕生

それは、後半に起きた。

アウトコース4番、ハンディキャップ1のホール。


可もなく不可もなく、
去年までと何の変わりもないプレーを続けてきた俺。

これと言って、大叩きはしていないが小叩きもしていない。
パットも、何とか2回か3回以内で収めているし。

気分的に言えば、上々だ。



同伴者のみんなも、それなりにそれぞれのプレーを続けている。






信濃ゴルフ倶楽部、アウトコース4番。
打ち下ろしのミドルホール。

緩やかに右ドックレックしているが、打ち下ろしがあるため第一打目の距離を稼げる。
しかし、グリーン前に大きな池が待っている。

女王誕生



俺が打ったティショット。
キレイに真っ直ぐ飛んでフェアウェイキープ。

ここでも、俺の5番アイアンが冴えている。
やっぱり今日は、ドライバーを封印してよかったゼ!


レディースティから打つ女性陣。
全員ナイスショットで、池の前までボールが飛んで行く。

って言うか、あなた達。
そんなに飛ぶならレギュラーティからでも良くないですか?
とそんな事を思うくらい、素晴らしいティショットを打っている。



俺の第二打。
グリーンまでの距離、約180ヤード。

以前の俺なら、ここは池越えの2オンを狙うのだが、
今日は、手堅く刻みのゴルフ。

9番アイアンで池の手前に落としていこう。


力を抜いて、
息を整え、
軽く握って軽くスイング。

ちょっと右目に飛んでいったが、
まぁまぁの出来だろう。

ここでは、池を避けるゴルフが
スコアメイクに一番だ。




「おっ、Sさん。スゲー飛んでいますね~。
もう少しで池に入っちゃう所でしたね。」


Sさんの一打目は、池の手前まで転がっていた。

グリーンまで残り100ヤードくらいか。
池越えの第2打目を準備しているSさんに声を掛ける俺。

聞こえているのかいないのか、そんな声にも微動だにせず
カートからクラブを取り出し、ラインを確認して、軽くスイング。
淡々と自分のゴルフに徹している。

さすが、昔軽井沢72でキャディをしていただけはある。


そー言えば、Sさん。
去年、女子プロのトーナメントにボランティア参加したっていってたなぁ。
夏の新潟県で行われた、「ヨネックスオープン」

入場券のもぎりをやったり、アテストハウスで受付をやったり、
本当、ゴルフ好きだということが良く分かる。


彼女がアドレスに入った。
どうやら、「池超えのパーオン」を狙っているらしい。

そして、スイング。


ゆるめに打ち出されたボールは、ゆっくりと空高く舞い上がった。



ひゅ~~~。

ポチャン。



グリーンまで、後もう少しという所で池に落ちた。

「あ=。入っちゃいましたね。」
なんて、いつもの俺なら声を掛けるが、
こんな言葉はSさんには言ってはイケナイ。

そう、彼女の真剣なゴルフに水を差したら
後でどんなヒドイ目にあうことかはすでに分かっている。



そんな俺の思いと関係なく、
新たなボールを池の後ろに置いてSさんが第4打目を打った。




ポチャン・・・。



エッ
今、ぽちゃんって言いました?




我が目を疑う所だったが、
Sさんがまた新たにボールを置いている所を見ると
またしても池に入った事は間違いないらしい。


ヤバイ。
やばいゼ、これは・・・。


もうこうなったら、
Sさんのプレーは見なかったことにしよう。


触らぬ神に祟りナシと言うしな。



再度打ち直しをしたSさんのボールは、
今度は、ピンをオーバーしてガードバンカーにコロリ。


あちゃー。
もう目を覆いたくなる展開だ。

他のプレイヤーも、
見て見ないフリをしているようだし。



でも、ここが一番の見せ場かも知れない。

今日のピン位置は、池のそば。
そのバンカーからは、池に向かってグリーンが傾斜している。

って事は、ただでさえ早いグリーンと名高い信濃ゴルフ倶楽部。
普通に転がしただけでも池に落ちる可能性が高いここを、
果たしてSさんはどんな技を披露してくれるのか?


心の中でワクワクしながら見守る俺。

Sさんがバンカーショットを打った。



ふわりと舞うボールと、白い砂。

見事のショットでバンカーを脱出。


そして、ボールはピンに向かって上からコロコロ転がってくる。



「おー。ナイスショットですねー!」
思わず、声を上げてしまった俺。


どんどんピンに近づいてくるボール。
さらに加速度を増しながら・・・。




ぽちゃん。


あれっ?
今、またポチャンって言いましたよね?


ええ。
確かに。

ボールが池に落ちるの見ましたし。俺。


なんとボールは、ピンにも当たらず、カップにも入らず、
勢いよく転がって池に入ってしまったのだった。




あなた、池がお好きなんですね?



こうして、Sさんは池の女王として生まれ変わった。





おめでとう、Queen of Pond 。




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Posted by アマゴルファー・むら at 16:39│Comments(0)ラウンド
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