全否定

アマゴルファー・むら

2013年03月27日 12:48

3か月間もクラブを握っていなければ、
今までやってきたことが「すべて水の泡」になっていると思っている人もいるだろう。

しかし俺は、そんな声を全否定して今シーズンをスタートしよう思っている。


「三つ子の魂100まで」という言葉がある通り、
人間は3歳になるまでに覚えたことはその後一生忘れないという性質があるので、
俺が丸5年間も掛けて練習してきたことをすっかり忘れているってことは無いハズだ。

そうさ、
努力に努力を重ねて「100切り!」いや、
「シングルゴルファー」を目指してトレーニングしてきたことが、
たった3カ月間練習してないからと言って全否定されてしまったら、
「もはやこの世に神は存在しない!」と言い切るしか無い。

という事で、久しぶりに練習場に出掛けた。


「えっとー、クラブってこんな感じに握るんだっけ?」
と、いきなり最初から全て忘れてしまっている自分がいた。

「そうだよ。手の平で優しく小鳥を包み込むように。だよな?」
なんて言いながらクラブを持ってみるが、いまいちシックリ馴染まない。

「だから、右手の生命線に左手の親指を合わせてそっと丸めるんだよ。」
と、ゴルフ雑誌に書いてある「クラブの握り方」を思い出しながらやってみても、
「コレだよ!」という感覚は得られなかった。

しかし、ゴルフの知識だけは覚えている。
本当に3ケ月何もしていなかったが、
「ゴルフの知識」だけは俺の脳ミソに深く刻まれているのが確認できた。

やっぱり、「三つ子の魂100まで」ということわざには嘘がないようだ。
しかし、
肝心な部分が蘇ってこない。

「まっ、まさか?」

去年のシーズン終わりに得られた「イイ感じ」あのスペシャルフィーリングが、
どうしても蘇ってくることが無かったのだった。

「まっ、マジかよっ。」


どうやら、「石の上にも3年」ということわざは、
この俺には全く適用されていないらしい。

いや、それどころか、
とりあえず素振りしてみたそのスイングが、
「ザ・ど素人」そのものの姿になっている事に気づいてしまったのだ。

「それじゃあ、ボールに当たらないだろうよ」
みたいな。

案の定、空振りしてしまった。

ただ地面に置いてあるだけのボールに、
クラブをまともに当てる事が出来ない。

「ぐわぁー、なんじゃコレは!?」

一瞬、松田優作になった俺だったが、
気を取り直してもう一回スイングしてみた。


ドテっ。ゴンッ。ころころ・・・

なんと、思いっきりダフってしまった。

ただ動かずにジッとしている白い球に、
クラブフェイスがカスる事もない。
ヤンキースのイチローは、
時速150㎞で投げられた小さなボールだって打ち返す事が出来るって言うのに。


俺は、春うららかな陽気の中、
青い空に向かって一人淋しくたたずんでいた。

「一体どうしちまったって言うんだ、俺の身体は・・・?」

思うようなスイングが出来ずにいる俺。
いやそれ以上に、
今まで積み重ねてきたものを全て「水の泡」にしてしまった事に後悔を感じ始めていた。

やっぱり3ヶ月間のブランクは予想以上に大きかったのだ。


「久しぶりの練習だからと言ってもこんな状態じゃ、
今シーズンだってまともなゴルフが出来ないかもしれないぞ・・・」


嫌なイメージが頭をよぎる。
「俺はいつまでたっても初心者から抜け出せないのか?」
と。


しかし、
俺には切り札があった。

去年からお世話になっているティーチングプロが、
この春から「スペシャルレッスン」を始めるという知らせが届いていたことだった。


ブース・アイゴルフスクール
「100切り達成プロジェクト!!」



そして俺は、
迷うことなくこのプロジェクトに参加することを決めたのだった・・・。


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