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アマゴルファー・むら

2014年12月22日 21:00

今シーズンのラストラウンド。

前半のスコアで思うような数字が残せなったかった俺は、
ついに「初心者放置プレー」という奥の手を出して
巻き返すことを狙っていた。


後半の1ホール目、ティーショットもまずまず。
フェアウェイのど真ん中を捉える事は出来ないが、
ボールは何とかコース内に残っている。

「そうさ。ドライバーが真っ直ぐ飛ばなくたって、
OBにさえならなければ問題ないのさ!


誰が聞いても負け惜しみにしか聞こえないセリフだが、
俺が今以上のスコアを出す為には、
もはやこの方法しか選択肢は残されていないのだ。

しかし、こんなにも練習していると言うのに、
どうして50ヤードはあるフェアウェイの幅内に
ボールを打つ事が出来ないのだろうか?

その答えは、ゴルフを始めて6年以上も経過した今でも
全く出ていないのだった。
グリーンに乗せるまで4打も掛かってしまったが、
2パットで収めてこのホールを「ダボ」
俺としては順調なのスタートが切れたと言っていい。

続くロングホールでも、2パットのダボ。
少しヤバイ状況になっているが、
だが、ここで焦ってはイケナイ。
ここから調子を上げてダボから「ボギー」
そして「パー」が取れるようにスイングを修正して行けばいいのだから、
焦らず慌てず落ち着いてプレーして行こう。


次のホールは142ヤードのショートホールだった。

目の前には大きな池が広がっているが、
普通に打てば悪くてもボギーで上がれるだろう。

1打目は左へのフックボール。
2打目のアプローチでトップして3打目でグリーンオン。
ファーストパットでは、
予想以上にボールが転がってカップを1メートルオーバー。

パットの距離感に抜群の感覚を持っている俺は、
「あれっ、おかしいなぁ?」と少し戸惑いを感じながらも、
短い返しのパットを打った。

しかし、ボールがカップに入らない。

「げっ!3パット!?」

スコアを作る上では絶対にやってはダメな事をやってしまった俺。

心の中は「ガチョーンな状況」になっているが、
常に1ホール1ホールづつプレーがリセットされていくゴルフでは、
そんな事をいつまでも引きずってはいられない。

気持ちを新たに次のホールに進んだ俺だったが、
ここでもまた「3パット」を叩いてしまったのだった。

「ほんとに、何かおかしいぞ?・・・。」

前半のパット数「17打」
その内1パットが「2回」
この記録から考えてもちょっと3パットを打ち過ぎている。

それに後半戦では、
「初ゴルフ・初ラウンド」の女子社員を完璧にほったらかしにして
常に自分のプレーに集中しているのだから
もっと1パットが決まってもイイはずだ。

しかし、次のボールもそのまた次のホールでもボールはカップに入らずに、
4連続で3パットを叩いてしまった俺

さらには、ホールアウトまで「あと3つ」しか残っていない土壇場のギリギリの所でも、
とうとう「4パット」を打って、もう見るのも無残な状態にまで崩れ落ちていたのだった。


「なぜだ?
なぜ、これほどまでにパットが入らなくなってしまったんだ!?」


俺はかなり焦っていた。

唯一の取り柄と言っていいパッティング。

触れるか触れないかの微妙な距離感を保ちつつ、
そっと背中を撫でる指先は「羽毛タッチ」と呼ばれては
今まで数々のグリーンを虜にしてきた。

心地よいラインを見極めては上から下へとゆっくり指先を動かして、
相手の反応をつぶさに窺がっている。

途中、その動きを止めたりまた動かしたりしながら
動きに予想不可能なリズムをつけることも忘れてはいない。

もちろん、時には強く激しくタッチすることも重要だ

その、強弱、動かすスピード、絶妙な距離感の3つをバランスよく全て使いこなしながら、
絶頂に行きつくまで盛り上げていくテクニックに「魔法の指先」と呼ばれている俺のパッティングは、
一体どうしちまったと言うんだよーーー!?

俺は、心の中で叫んでいた。

しかし、次のホールでもまた3パット。
そして最終ホールだけは2パットで入ったものの、
後半のパット数だけで「25打」、スコアを「60打」
最終合計「110打」というスコアを作っていた。


当然、「自己ベスト更新!」するどころでは無かった。
コンペの成績も「14位」という何の賞にも当たらない成績

さらには、今期、いや、近年では最高の「ワーストパット数」の記録を
このラストラウンドで残してしまったのだった。


そして、俺のゴルフは終わった。


これからは、
冷たく寒い信州の冬が
待ち受けているだけなのだ・・・。

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