最後のチャンス

アマゴルファー・むら

2014年11月27日 22:00

ここ信州のゴルフシーズンも、
終了のカウントダウンが既に始まっている。


寒さが日を増すごとに強くなり、
朝は畑に霜柱が立って夕日が沈む頃には
上着を一枚余計に羽織らなければ身体の芯まで冷え切ってしまうほど
一気に気温が下がってくる。

目の前に広がっている山々も、
薄っすらと白い帽子を被ってその姿を徐々に純白に変えようとしていた。

「冬将軍」は、直ぐそこまでやって来て、
本格的にこの場所に乗り込む日を窺がっている様子だ。


俺のラウンド予定は、残すところ「あと2回」になっていた。

1回は、ゴルフ歴30年のベテランゴルファーとのプライベートラウンドで、
もう1回は、今シーズン最後の「ラストコンペ」に参加して今シーズンは終了する。

これまでのラウンド数は、例年通りに月平均2回。
その中で「2回の100切り」を記録したものの、
自分の「ベストスコアを更新!」するだけの結果はまだ出ていない事に
俺は焦りを感じていた。


「こんなにも練習しているのだから、もっと良いスコアが出てもイイんじゃないか?」
「常に90台のスコアが出て、「パーかボギーが当たり前」というスコアでもイイんじゃないか?」
「既に、「あのバーディーパットは惜しかったなぁ・・・」と言えるレベルで会話するくらいになっていてもおかしくないハズだよな?」


望み通りの結果にならない現実がストレスとなって
俺の心を締め付けていた。


確かに、
今シーズン俺はプロのレッスンに通っていない。

「悩み」「疑問」「質問」を、
誰かに尋ねてそれを修正するなんてことも出来ない。

「何が悪くて、どうすれば良いのか?」を常に自分自身で自問自答し、
解決策を今までの経験と記憶の蓄積に頼りながら練習を進めてきた俺。

その練習方法が、果たして良かったのか悪かったのかと言う結果が
残されたあと2回のラウンドで試されることにも
焦りはさらに大きくなっているのだった。

そして、突然雨が降ったり寒くなったりしている不安定な陽気の中、
俺はラウンドに出掛けて行った。






不思議に晴れ渡った日。
一緒にプレーするのは、ゴルフ歴30年のベテランゴルファーと、
競技会にバンバン出場しているアスリート女性ゴルファーだ。

いつもなら、「男性はバックティー、女性は白ティー」からのプレーになるところが、
「たまには一緒のティーグラウンドからやるか?」というベテランからの一声で、
全員が「レギュラーティー」からプレーすることになった。





久しぶりの「白ティー」からのラウンドに、
距離のハンデを感じることがなかった俺は、
今までない好調さでプレーをドンドン進めて行った。








そして、前半のスコアが「47打」
パット数が「16」という数字を叩きだしていた。


「こっこれは、もしかしたら狙えるぞ・・・。」


そう、いつも尻上がりに調子が良くなってくる俺には、
「自己ベスト更新!」の可能性が大きく広がり始めていた。


そして俺は、
目の前に訪れたチャンスをこの手で掴み取るべく、
後半のコースへ足を進めて行ったのだった・・・。


To be continued.

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