二つの選択肢

アマゴルファー・むら

2013年11月04日 20:01

「雨垂れ、石をうがつ」
と言う言葉がある。

これは、
「どんなに小さな力でも、根気よく続けていればいつか成果が得られる」
の例えらしい。

しかし、そんな言葉を聞いても、
今の俺には馬の耳に東から風が吹くように、
「へっ?「うがつ」だって?そんな言葉いまどき使いまへんがな~。」
と、人差し指を鼻の穴に入れて口をポカ~ンと空けながらそう答えるだろう。

だいたい、「うがつ」とくれば、
うがつが上がらない亭主」とか、
「スーツのポケットにサービス券を入れたままにしたのはうがつだったよ・・・」
とかに使うのが日常的だ。

それに、
「どんなに小さな力でも、根気よく続けていればいつか成果が得られる」
という事には賛成が出来ない。

なぜなら、世の中には、
「どんなに頑張っても一向に成果の出ない人」だっているんだぞ?
小さな力で根気よく練習していても、全く上達しない人だっているんだぞ?
雨にも負けず風にも負けず、汗と涙と根性で重いコンダラ引きずりながら気合を入れて練習しても、
進化するどころか退化していく人間だっているんだぞ?
それを分かって、こんな言葉を言ってるのか?

もう、ダーウィンだってびっくりして、
「信州に「ガラパゴス」を発見しました!」
と新たな説を唱えちゃうぜ。きっと。


しかし、そんな愚痴をつぶやいていても、
「今の俺」が変わるわけでもない。
今シーズンの成果を占う「むらコンペ」で出された結果を目の前にして、
俺は、二つの選択肢から一つの答えを選ばなけらばならなかった

二つの選択肢とは、
「シングルを目指すべきか?」それとも「諦めるべきか?」


ゴルフを始めて丸5年。
今までは一心不乱にゴルフに打ち込み、ゴルフ中心の生活を続けてきたが、
「どんどん下手になっている」という事実を突き付けられては、
やはり「見直す時期かもしれない・・・」と考えるのは当然の事だろう。


「シングルだなんてさ、誰でも成れるワケじゃないんだ・・・」
「普通にゴルフが出来れば、それでイイじゃん・・・」
「俺に才能は無かったのさ・・・」


コンペでの結果を受ければ、
二つの選択肢のうち、どちらを選ばなけらばならないのかは既にハッキリしている。


「分かったよ・・・。俺も男だ・・・。」


口からその言葉を話すことに、身体は拒否反応を示し唇が震えている。
でも、ここで俺は、
勇気を持って決断しなければならないのだ!


「アマゴルファー・むらは・・・、
今シーズンをもって・・・、
ゴルフから・・・、
足を・・・、
あ・・・」


弱々しく段々と小さくなっていく俺の気持ち。

しかし、「決めた事は守る」というのが男じゃないのか。
何があっても「現実を受け止める」っていう潔さが男じゃないのか。
悲しくても寂しくても「信念を貫く」って姿勢が、信州男子だるものじゃないのか!


「アマゴルファー・むらは・・・、
今シーズンをもって・・・、
ゴルフから・・・、
足を・・・、
あ・・・
アッ!


大切な事を思い出し、俺の脳ミソが覚醒した瞬間だった。


「そうだ。11月の始めにコンペがあるんだった!!」

しかもその会場は「信濃ゴルフ倶楽部」
俺に二つの選択肢を与えたゴルフ場なのだ。


「これは、もう一回チャンスを与える!って事だよな?
もう一度チャレンジさせてやるから!って天からの贈り物なんだよな?
だから、「結論を出すのは少し待て!」って事なんだよな・・・?」



そして俺は、
リベンジの炎を燃やして、
今シーズン最後のコンペに臨むのであった・・・。


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