ベストスコア更新
スタートホールから、何故かスコアがまとまったのに気分を良くして、
続く12番136ヤードのショートホールに突入した。
オナーは俺。
ただでさえ緊張するのに加えて、
コンペの2組目が早くも追いついて来て俺たちのプレーを見守っている。
さらに、グリーンの前に大きな池が待っているというコースレイアウト。
もう緊張を通り越して
極度の硬直状態になってもおかしくはないところだが、
俺の意識は違うところに向いていた。
「今日のラウンドは、この3つだけ考えていればイイんだ・・・」
と。
1、アドレス
2、身体軸
3、ボールの形
とにかく俺の欠点は、
ミスショットが多い事。
いや、多いんじゃなくて、
全てがミスショットの連続だと行ってもいいくらいに、
ダフったり、トップしたり、ボールが右に左に曲がって行く。
このミスを、少しでも少なくする為にはどうしたらいいのか?と考えた結果、
今俺がたどり着いた答えが
「3つのポイント」だったのだ。
まず、アドレス。
これ抜きには、もうゴルフを語ることは出来ない。
武道の基本が
「礼に始まり礼に終わる」なら、
ゴルフの基本は
「アドレスに始まりアドレスに終わる」と言っても過言ではない。
「じゃあ、どんなアドレスを取るのがいいの?」と、
聞きたくなるかも知れないが、
早い話、
そのくらい重要だ!と言う事だけ覚えておいて欲しい。
次に、身体軸。
「むらスイング理論」によるとゴルフスイングとは、
「上体の回転運動に腕の上げ下げがミックスされたもの」
という定義なされている。
もっと簡単に言うのなら、
「身体は回せ!腕は下ろせ!」と言う事だ。
実はその時に
「身体軸」という意識が無ければ正しい回転運動は行われないと
この理論は言っている。
例えば、コマを思い浮かべて欲しい。
そう、コマがくるくると回っている姿を。
だから、
そー言う事なのだ!
最後は、
「ボールの形」だ。
普通のボールってどんな形をしているだろうか?
「はぁ?何言ってるの、むらさん。「丸」に決まっているじゃない!」
確かにそうだ。
その通りだ!
でも、俺のボールは少し形が違っている。
実は
「四角形」になっている。
あくまで意識上での話だが・・・。
ところが、
この意識を持ってボールを打ったところ、
驚くほど球筋が安定しだしたのだった。
そして、俺は8番アイアンを握ってスイングした。
見事にトップって、グリーン前に池に飛び込んで行ってしまった。
「あちゃー!」
やっぱり、いつも同じく
思いっきり力んでスイングした様だ。
このホール、1パットで抑えたものの
「ダブルボギー」。
続くホールも、たまにOBが出たりして良いところは無かったが、
何とかパットでしのいできた。
しかし、前半最後の18番ホールで、
遂に
その集中の糸が切れてしまったのだった。
OB一発、池ポチャ2発、パットは3つで合計
「14」。
「これで終わった。もう、ベストスコア更新の夢は終わってしまった・・・」
半分ヤケクソになりながらプレーした後半。
唯一良かったのは、
天気だけだった。
約2か月ぶりのゴルフ。
俺の結果は、
前半→60、後半 →55。合計「115」
「やっぱり、俺の実力ってこんなモノなんだなぁ・・・」
マザマザと現実は見せつけられてショックを受けている俺は、
しょんぼりしながらパット数を計算しながら自分の眼を疑った。
「前半が16パットで、後半が、、、えっ!」
後半が15パットの合計
「31」。
なんと、今までの最小パット数を1打更新する
31パットを記録していたのだった!
「なのに、スコア115の俺って・・・、」
俺は、ノースリーブのGジャンに着替えて
「ワイルドだろォ~」
とつぶやくのが精一杯でゴルフ場を後にしたのだった・・・。
完。
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