原因不明
突然、スライスが止まらなくなった。
何をどうしたのか分からないが、スライスが止まらなくなった。
先日のラウンドでもドライバーでのティーショットは常にスライス。
18ホール中、ショートホールを4つ抜かせばドライバーを使えるホールが14もあるが、
その内13ホールは右に大きく曲がって行った。
確率にして93%。
そうなのだ。
真っすぐボールが飛んでいく方が確率が低いのだ。
さらに、ただスライスなだけではない。
確実にOBになるほど曲がって行く。
しかも、その曲がり方が半端じゃない。
まるでトンビが気流に乗ってクルクル旋回する様な、
「カービング」を空に描いてくれるのだ。
そのスライスして行くボールの姿は、もはや
「芸術作品」の域に近い。
同伴プレイヤーも、
「どうしてそこまでのRを描く事が出来るのか?」と、
とても
真似が出来ない凄さを感じると表現していた。
「アーティストだよ、お前は」だよと・・・。
確かに、自分で見ていても、
「完璧なスライス」だと感じている。
例えプロが、インテンショナルでボールを打ったとしても、
「さすがに、あそこまでは曲げられない」と脱帽するくらいの
「パーフェクトなスライス」だと思っている。
しかし、このスライスが
「芸術作品」と言われる理由は、
実は曲がり幅の事だけではなかった。
ボールを打ち出した時は、
フェアウェイのセンターに向かって真っ直ぐストレートにボールが飛び出して行くのだ。
そのショットを見て誰もが、
「おぉ~、ナイスショット!」と声を掛けるが、
その後
ヒュイ~ンと音を立てて右に大きく曲がり始めて、
その後林の奥に消えて行くのだった。
曲がり幅で言えば、100ヤード、いや150ヤード以上はカーブしているだろう。
それも、柔らかく美しい曲線の軌道を空中に残したままで状態で。
きっと、あなたもこのスライスを見たなら、
無言のまま茫然とそこに立ちすくむことだろう。
そう、芸術作品の前では、
誰もが言葉を無くしてしまうのだから・・・。
昔、杏里は、
「悲しみが止まらない」と歌っていた。
だが、俺が歌うとしたら
「スライスが止まらない」に変わるだろう。
崎谷健次郎は、
「もう一度夜を止めて」と言っていた。
だが俺は、
「もう一生スライスを止めて」と言うに違いない。
そして山下達郎は、
「さよなら夏の日」と
過ぎゆく夏ともどかしい想いを雨に濡れながら伝えていた。
しかし俺は、
「さよならスライスの日」と
消えゆくボールと捜しても見つからないもどかしさを涙に濡れながら伝えたい。
だけど、俺の本心は、
こんな気持ちを叫びたいのだ。
http://youtu.be/7C8__qFg9Ko
しかし、いくら俺が叫んでも、
ボールがフェアウェイに帰ってくることは
一度も無いのであった・・・。
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