後退
新たに
「ドラコンシングルへの道」を歩き始めた俺だが、
練習場ではかなりイイ感触を掴めている。
身長180cm弱のデカイ図体を活かして遠心力を最大限に引き出しながら、
日々のストレスと全く上達しないフラストレーションで鍛え上げた強靭な肉体から繰り出されるショットは、周りの空気を
ズバババババーン!と引き裂きながらネットに向かってー直線と一曲線に飛んで行っている。
今までのスイングが、
「曲がらない様に曲がらない様にっ」
とかなり遠慮しながら打っていた事もあって
「完全な不完全燃焼」だったが、
全てがフッ切れた今にしてみれば
「渾身のパワーを使って振り切る爽快感」に全身が包まれている。
俺は今まで、
「どうしてこんな気持ちイイ事を抑えていたのか?」
と自分に疑問を投げ掛けたくなるくらいにフルスイングの快感は止められない。
例えボールが、白い杭の彼方に消えて見えなくなっても・・・。
そして俺は、
この気持ち良さを実際のコースでも発揮するべく
ゴルフ場に出掛けて行った。
場所は、日本一高い場所にあるゴルフ場
「菅平グリーンゴルフ」
この時期、避暑を兼ねて標高1600Mのまで行くのが恒例になっている俺。
真夏でも30度を超える事が無いというこの場所は、
根子岳の裾野から雄大な景色を眺めながらプレーが出来る
「真夏の楽園」なのだが、
その日はあいにく朝から雨が降っていた。
「涼しい!って言うか、もう寒いんですけどっ。」
と半分震えながらレインウェアを着込んでのプレーとなった。
「レインウェアはかさばるからスイングをコンパクトにしてハーフスイングくらいに抑えて・・・」
などど今までの俺なら言っていたところだが、
「常にフルスイング!」の
つねフル精神を身に付けた今となってはそんな事は関係ねー。
チントンシャンテントンだろうがハイ!おっぱっぴーだろうが、
練習通りに最後までドライバーを振り抜いて行くだけさ!
結果、
前半
「59」の21パットだった。
こうなったら仕方がない。
俺は封印していた
「奥の手」を
解禁した。
「チンカチンカのルービー大で!」
そして、
久しぶりのエネルギーに満たされた俺は後半の巻き返しに入った。
トリ、
バーディー、
ダボ、
ダボ、
ボギー、
パー、
などなど・・・。
そして結果、
後半は
「48」の18パット。
合計=
「107打」
この結果から、
俺は三つの結論を導き出した。
まず一つ目。
「ドライバーを万振りしてもスコアには関係がない」
と言う事。
そして二つ目。
「ドラコンを取ったホールは一つも無かった」
と言う事。
そして最後。
「パット数が今までに比べて増えてきている」
と言う事。
どうやら、飛ばすことばかり専念した為、
肝心なパット練習がおろそかにしていた影響がここで出てきている。
ゴルフ初心者でも、
唯一自信を持っていたパット数が・・・。
上達するどころか、
さらに下手になっている俺が
今ここにいるのだった・・・・・。
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